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2022-01-09
日本と中国の温泉施設の違い。

□日本人が考える温泉施設

日本人が考える温泉施設ってなんでしょうか。

まず一つは、湯けむりが立ちこめるような露天風呂で味わう天然温泉。

大きな天然温泉の岩風呂に、その冷えた身体を温めるように身体を染み込ませる。。

水の音だけが聞こえ、あるいは風光明媚、あるいは荘厳な景色を見ながら、非日常空間を味わう。

夜はご当地の食材に舌鼓をして、就寝前や朝食前後に、もうひとっ風呂。

そんなシーンを想像しませんか。

■中国人が考える温泉施設

ところが中国人の場合、少しというかかなりの相違点があります。

家族や知人の大勢で水着を着て、老若男女が混じり合うようにハイテンションで笑い合う雰囲気。

準備されたいくつもの浴槽に代わる代わる入る。

熱いのは苦手なので、あまりにお喋りに夢中になったら、足だけを浴槽につけて、それでも知人との交流を続ける。

夜も食事をしながらお喋りは続き、麻雀やトランプをしていつも以上の高揚感で疲れ果てるまで遊び尽くす。

私は小説家でもないので、文才こそありませんが、日中両国で温泉の楽しみ方、温泉施設への感覚の違いは明らかです。

□日本の温泉施設をそのまま持ち込んで中国で通用するのか。

上記の例は所謂宿泊型の温泉施設です。

スーパー銭湯、健康ランド規模の話ではレジャー感覚に近く、既に日本の極楽湯が上海などで成功を収めています。

それから天然温泉の泉質に対する知識も中国ではあまり深くありません。

日本ではスーパー銭湯クラスでも天然温泉はもちろん、人工温泉が発達しており、身近に感じられることも一つの理由かもしれませんが、本質をあまり重視しない中国らしさでもあります。

さっぱり、すっきり、ツルツル、すべすべ、ぬるぬる、と言ったそれぞれの泉質の概要だけでも理解している国民は世界中でも日本くらいかもしれません。

さて、中国での温泉施設ですが、やはり楽しみ方の根本があまりにも掛け離れすぎており、日本の温泉施設をそのまま持ち込んで成功するようには、私は正直思えません。

日本の伝統的な温泉施設はこうだ!などと頑固に言い張ったところで誰も得をしません。

中国国内の施設において、温泉施設体験するのは他でもなく中国人のお客様なのですから。

ただ、もちろん日本の良さや中国に適するような部分を取り入れることは、可能性としては全然あり、むしろ必要なことだと思います。

例えば温泉そのものの良さを伝えられるような施設づくり、景観であったり雰囲気は中国でも受け入れられることは間違いありません。

施設全体的なことで言えば、日本の良さを理解しつつ、中国の需要に合わせることが一つ最も重要なことではないでしょうか。

■忘れてはいけないこと

それから、なんと言っても清潔感

水質はもちろん、環境的にも清潔感は必要です。

法的な規制が少ない中国ではありますが、万が一レジオネラ菌による事故や管理不足、設計不備などがあれば、その施設自体の運営ができなくなってしまいます。

清潔度は前提として顧客満足度の向上でもありますが、リスク回避として最も重視しなければならない部分なのです。

残念ながらそのリスクを計画段階から具体的に実施、察知できる中国のコンサル企業、設計会社はほとんど存在しません。

以前、とある設計士の方とお話をしていて感銘を受けたことがあります。

「日本人は清潔感が重要視され、運営をする従業員さんにもその意識が強い。」

「だが、中国では清潔感を重視すると言っても、実際に運営をする従業員さんにその意識が低ければ実現が難しい」

「であれば、清潔感を実現しやすい職場環境や導線を意識して設計することが大事なのではないか」

ということでした。

設計士の立場としては、運営しにくい、と感じさせてもいけませんし、清潔感を実現できなければ日本式ではない訳です。

弊社は設備部分や運営部分について、実際の設計、様々なコンサルティングが可能です。

是非こうした中国での日本式温浴施設、より清潔感のある施設づくりのお手伝いをさせていただきたいものです。

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