中国で生活をしていると日本のIT発展の遅さを痛感することが多々あります。
まずはキャッシュレス、私は中国で自動車を運転しますが、今や駐車場の支払いは入庫時にナンバープレートを写真でパシャっとされて、出庫時にも同じようにパシャ、自動的に金額が表示され、スマホで簡単に支払いをします。
ドコモ口座の事件があったばかりですが、そう考えれば中国のキャッシュレスを申請する手続きの煩雑さにはげんなりさせられるほどです。
中国での詐欺手法はアカウントをそのまま盗むことがほぼ不可能であることで、人間そのものを騙すことです。
日本のように勝手に口座と架空のスマホを結びつけるような手法が通用してしまった事件は、まさに日本のIT音痴を世界に披露したようなものです。
次に通信手段。
日本では未だに一部の企業(特に中小企業)ではFAXが主流となっていて、驚かされます。
中国ではFAXで送ってくれ、などと客先から指示があれば失笑するしかないでしょう。
もしかしたら一部の若者はFAXという存在を知らないかもしれないですし、传真という言葉も既に絶滅危惧種です。
SNSが絶対か、と言えば、もちろんそうとも言い切れませんが、中国のSNSも不正アクセスがほとんど不可能と言えるほどセキュリティが堅い印象があります。
こうしたITの発展で中国経済の発展が効率化されたことは間違いありませんが、一方でリスクも潜んでいるのが日本でいくつか起きているIT絡みの詐欺事件に代表される出来事でしょう。
菅政権が誕生しそのITに(今更ながら)注目が集まっていますが、今のIT音痴大国の日本が世界の足並みに合わせていくと、恐らくドコモ口座のように事件が起きることが目に見えるようです。
世界のハッキング集団も日本の重要事項へのアクセスしやすさに詐欺を目論むこともあるのではないか、と思うほどです。
確かに日本の経済を加速度的に発展させるには、弱点であるIT化の強化は正しいことです。
ただ、それをあまりに急ぎ過ぎて技術や使用する人々の知識レベルが追いついていないと、それはそれで世界からも狙われてしまうほどの、危険な行為となるリスクが潜んでいるはずです。