とある中国のお客様の話。
彼は田舎の大手デベロッパーの社長、元々土地持ちだったのを鉄道などの開発によって売られた土地で資金を得たことは有名でした。
ここで彼のような中国人で、たまたま、運よく、大金を手にしてしまったケースで大きく分けて二つのパターンに分かれるように思います。
お金の使い方が分からずに他人から聞いた美味しい話で失敗する、もしくは、自分で考えた道を他人を使って成功するか。
彼はどちらかと言えば成功者となるのでしょうが、それでも成功もあり失敗もあり、失敗仕掛けの投資で私はこのL社長にお会いする機会がありました。
まずは外堀から色々な情報を収集したのですが、確かに当該プロジェクトは投資としては明らかに失敗の部類でした。
そこで彼が言った言葉は忘れられないものでした。
このプロジェクトは既にスタートが切られてこの状況だから、何もせずに死を待つか、それとも前を向いて再投資で大成功にさせるか、二つに一つだ。
私は正直に言って、彼のこのプロジェクトに関しては確かに既に失敗をしてしまっていて、ここから盛り返すのは難しい、と判断をし一旦参画についてお断りしました。
それでもこのプロジェクトにとっての窮地も、彼が言う死を待つか、前を向くか、という二択を迫るほどの危機的なものでもありませんでした。
要するに彼は成功ではないプロジェクトの問題点を放置しておくことが、そのプロジェクトにおいての死と言っていたのでしょう。
久方振りに連絡をしたところ、例のプロジェクトはそのまま変わらない良くも悪くもない状況で、あのときは確かにそこまで危機的な状況ではなかったが、そう言うことで付いてくるパートナーを探していて、その協力者が一定数集まれば今でも再投資で盛り返すことができる、とのことでした。
それを聞いて発破を掛けられていたことも分かりましたが、それでも彼の投資スタイルが信頼できるパートナー探しでもあることも分かりました。
見た目はお金持ちのL社長でも、一つのプロジェクトを生死に例える生きざまは、まさにチャイナドリームを実現するに相応しい心構えだとも感じさせられた次第です。
最近でも弊社にそうしたお問い合わせをいただきます。
リスクとしての正誤判断は前提ですが、成功の体制さえ整えればどんな状況でもたとえ日本企業であったとしても、チャイナドリームを掴むことは可能だと、私は信じています。