これも数年前の話なのですが、店舗運営のコンサルティングの引き合いをいただいたことがあります。
中国系のデベロッパーさんによる店舗開発のうち、数万平米のとある業種の運営です。
一時期こうした話を中国でいただくことが多く、スケベ心でいくつか商談の席についたことがあります。
こうした店舗の運営のコンサルティング、もしくは運営委託として日本の企業に白羽の矢が立つことは私の知る限りでもかなりの需要があります。
しかしその実、中国人がなぜ日本人を求めているのか、最初は良く分かりませんでした。
実際の現場での声はこうです。
日本人は報連相や、細かいことばかりで、判断が遅く対応も遅い。言葉の面もあり日本人とパートナーを組むのは大変だ。
ということです。
実際に私も中国での経験は豊富だと自負していますが、日本人が遅い、というより慎重であることは間違いありません。
もちろん、それによって失敗が少ないということが、日本人の特徴として特筆すべき点なのですが、元々のオーナー様もそうした慎重さ、計画性を重視しているのだとばかり思っていました。
しかし、実際にこうした案件に入り込んでみると、当初の思惑とは全然違うことが分かります。
実際に中国のオーナーが日本人、日本企業に運営を任せたいと思っているのは、日本人というマイノリティさを中国市場で利用したいということだけのように思います。
例えば日本企業とパートナーを組みました。
それこそが、その店舗にとって大変有意義なことなのです。
それを見た多くのお客さんは、このお店は日本人を使っていてきめ細かいサービスが受けられるのではないか?
相当多くの中国人は日本が清潔、サービスが良い、マナーが良い、ということを知っています。
こうした運営委託の打診でのオーナーはその印象を店舗にもたらすことこそ(のみ)が必要で、細かい事業計画の提案や、に期待をしていないケースがほとんどです。
鼻息荒く我々の運営経験は、、、我々のスタッフは、、、などと伝えても、残念ながらあまり響くことはないのです。
安く、多くの日本人を誘致できれば後は自分で何とかする、といったケースが少なくないため、こうした業務に単独で乗り込むのは非常にリスクがあると思います。
ある程度ドライに、そしてそれをまた我々のような第三者の目線で評価させていただくのも、業務のステップとして大事かもしれません。