□極楽湯体験記その2 ~弛まぬ変化と企業努力~
さて、極楽湯体験記の続きです。
あまり詳細なことを書くつもりはなく、施設の運営として感銘を受けた部分をピックアップしていこうと思います。
2013年の開業からマイナーチェンジを重ねている極楽湯ですが、先程はラーメン店やホテルの改造を簡単に紹介しましたが、その他にも細かい部分で改装が行われ飽きさせない工夫が垣間見られます。
極楽湯碧雲温泉館はその横長な施設形状から平面に歩く距離が長く、この長い廊下がある意味で写真撮影のスポットでもあり、一方で様々な売上向上のポイントにもなります。
例えばレンタル和服は以前にはなかった試みです。
日本の温浴施設であれば疑問符が付きそうなこうしたイベントでも、よりレジャー色の濃い中国の温浴施設ではこうしたイベントが受け入れられやすいのです。
開業当初は若干デッドスペース的にもなっていた2階への踊り場近辺にはゲームコーナーを展開。
その隣でも空いたスペースを金魚すくいやドクターフィッシュの体験場して活用(ちょっと薄暗い感じですが)。
それでも常時数名が利用していて、イベントとしてもそれなりに成功している様子が見て取れました。
私自身、毎年のように極楽湯を訪れていますが、このスペースでは試行錯誤が繰り返されている印象もあります。
■運営方針の転換と改装の大変さ
こちらも当初からイベントスペースとなっていましたが、今回は畳を敷いての映画放映です。
千と千尋の神隠しのイベントを行っていたようですが、多くの人々がこのスペースで休憩をしたり映画鑑賞をしたりと楽しんでいます。
実はこうしたイベントスペース、運営がかなり手間だと思われます。
なぜなら1ヶ月も2ヶ月も同じイベントを続けるわけにはいかず、宣伝広告活動を常に行わなければお客様に飽きられてしまうからです。
この日も館内入場口から常にこの千と千尋の神隠しのイベント告知が行われており、インターネットでも恐らく広報活動が行われていることだと思いますが、施設のレイアウト変更だけではなく企業としてコラボ相手との交渉やイベント展開を考えたりというのは最も大変な部分でもあるでしょう。
写真を撮るのを失念してしまいましたが、岩盤浴ブースの隣には子供が遊べるキッズスペースがありますが、これも開業当初にはなかったスペースです。
元々こうした改装を想定していた余裕のある作りでしたが、運営側が中国人の趣向に合わせて試行錯誤をしながら、至るところでお客様を楽しませる工夫が尽くされていると感じられます。
おそらく開業当初は中国人客の好みなども手探りであったことも予想されますが、賞賛されるべきは、開業前からそうした変化に対応できる施設づくりを考えられていたことかもしれません。
夕方前から入館していましたが、飲食スペースは徐々に熱を帯びてきており、片手にアイスクリームを持ったり飲料を飲んだりトランプをしたりとそれぞれ楽しんでいる様子が見受けられました。
□巷には極楽湯通の中国人が溢れている
今回極楽湯に来た理由は視察目的でもありましたが、それ以前にたまたま業界の関係者ではない一般の中国の方が、大変な極楽湯通の方で、それに刺激を受けたことも起因しています。
私が日本人だと知って、極楽湯好きを宣言されたので、色々と極楽湯について語り合い話が盛り上がりました。
彼も開業当初から極楽湯の大ファンだというのですが、私の感覚ではお風呂屋さんに158元は少し高いかなーと感想を述べたのですが、まさか「とんでもない!極楽湯は安いでしょう!!」と言われてしまいました。
「確かに日本人のあなたからすれば、お風呂屋さんで158元は高いかも知れないけど、週末に友達や家族、子供を連れて4,5時間それぞれ自由な時間を過ごせるんだから明らかに安いよ」
と言うのです。
彼は決してお金持ちでもなければ、上海人でもない、出稼ぎに来ているごくごく普通のサラリーマンです。
レジャー施設としての完成度の高さ、お客様を飽きさせることなく迎え入れる姿勢は、中国人の方々にも十分すぎるほど受け入れられているのです。
同じ日本人として、この極楽湯には大変嬉しさも覚えるのですが、こうしてごくごく一般の中国人の方との会話にも極楽湯で結び付けられるご縁が生まれるなんて、なんと素晴らしいのかと改めて思い知らされるのでした。
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