NEWS/TOPICS

2020-07-24
雑貨店ロフトは中国で成功できるのか。

正直ニュースを聞いてビックリしたのが本音です。

厳しいと思います。

正直私はこうした若者向けの雑貨商品の分野に詳しくなく、また関係者に繋がる情報もなく、ごくごく表面的なところしか見ていないので、こればっかりは何とも言えませんが、商業施設についての趨勢、そして上海に常駐する者として知り得る範囲で書貸せていただこうかと思いました。

まず、先日の建設銀行の支店長との話にもあったように、インターネットショッピングが日本よりも盛んであり、ネット決済も当たり前どころか、それでないと受け付けてくれないくらいキャッシュレス化が進んでいます。

次に、中国で何店舗オープンします、という触れ込み、いくつか見聞きしたことがありますが、日本企業が単独で成功している話を一つも聞いたことがありません。

高島屋しかり極楽湯しかり、です。

そして、昨年のニュース記事では2020年に成都1号店をオープンさせるなどと情報が錯綜していることもありますが、加えてこのコロナ禍で、成功が保証される点は見当たりません。

これも逆風です。

何よりも今上海の内環状線いや中環状線で好調な百貨店は、高級ブランド品を取り扱う店舗くらいで、日本企業だけではなく中国企業も大きく失速しています。

それは冒頭のようにインターネットによる流通が主流となりつつあることでもあり、地代が高すぎて薄利多売は存続が極めて難しいと言わざるを得ません。

店舗の場所は徐家汇という上海の超中心地、美罗城で検索して出てくる場所はまさに駅直結の好立地となります。

恐ろしいほどの地代がかかるかと思われます。

表面的なことしかわかりませんが、残念ながら、もし私なら同じ場所に出店させることはないでしょう。

取扱商品は日本と同じように雑貨類ですが、これも残念ながら強調材料はないように思います。

なぜなら小物雑貨はそれこそインターネットで蔓延しているからです。

中国のニュースでは、当初の成都ではなく上海に第一号店を開業した経緯を若者が多く、消費が活発であることなどが取り上げられており、また化粧品などの日本ブランドも同じ美罗城に多くあることなどの相乗効果を前向きにとらえているようですが、一方で、この挑戦が簡単ではないこともきちんと書かれています。

当初のように成都で一定の成功を収め、認知度もあるイトーヨーカドーの力を借りながら展開していく道を、やはり私なら選んでしまいそうです。

仮定の話ですが、出店条件でコロナの影響が地代などでロフトにとってプラスに動いた可能性もありますし、外野の私があれこれ言うような話は当然ロフトとしても考えた末の出店でしょう。

厳しいことばかりになってしまいましたが、もし、この地で成功を収めることがあればロフトにとって、非常に大きな成果となるのは間違いがありません。

今回の立地は成都や他の地方都市に比べれば、多大な宣伝効果も期待できますし、苦言ばかりになってしまったものの、日本人としては応援しないはずがありません。

そして、ロフトにとってはこの挑戦が大いなる成功への道筋にもなり得ますし、何よりも私達のように中国と縁をいただいている企業からしても彼らには是非成功してもらって、日本企業を盛り上げてもらいたいと心の底から祈っています。