立場や役職が部下を成長させることもあるから、少し力不足ではあるけど、役職を上げてやってみてはどうだろう。
日本では、このような人事のことわざのようなものがあります。
私が中国に来て間もない頃、人事に頭を悩ませて同じような状況に遭遇したことがあります。
結果からいうと、中国では役職が人の成長を促すようなケースは、特に十名、数十名規模の中小企業では、成り立ちづらいように思えます。
もしかしたらこのことわざは空想のもので、日本でも同じかもしれません。
なぜ中国ではほとんど成立し得ないのか、それは中国における企業の給与体系にもよるかもしれません。
日本と比べ、できる限り明確な基準で人事考課や給与体系が決められる中国では、一つのポスト間で出世が大きく給与に響きます。
そして、このポスト間に給与差があるように、その能力にも大きな差があるケースが多いと思うからです。
人事考課や給与、賞与は従業員にとって通常業務よりも重要な意味を持つ場合さえある中国で、一旦昇給してしまえば胡坐をかいてしまうケースさえあるように思います。
期待値込み、将来性、社歴による査定判断、こうした基準はかなり曖昧で、やはりこの点においては中国では具体性を持つ評価にしなければいけないようです。