問い合わせを受けるというのは、もちろん身構えることができないので、突然であることは当然なのですが、日本企業はどうしても問い合わせに対する応対が緩やかであると感じます。
貪欲さがないという訳でもないのですが、杓子定規に縛られた対応や、報連相に時間がとられてしまったりと企業によって様々事情があるとは思います。
私が中国からの問い合わせをもらうと、とにかくすぐ行動に移すという手段を採っています。
ケースバイケースではあるのですが、冷静に考えれば何の得もないような問い合わせも、思いがけない受注に繋がることがあるからです。
広い中国なので、何でもかんでも現地に飛び込んでいては経費倒れになりそうですが、事業内容によってはアリな作戦であると少なくとも私は考えています。
正直突然の問い合わせには全然的を得ていないものもあるのが中国のあるあるです。
とはいえ詳細をヒアリングをしても効果がない場合があるのです。
なぜなら問い合わせをする担当者が、即ち商品知識に詳しかったり、決定権がない雑務担当であったりするからです。
これも中国あるあるで、ヒアリングの効果が少なく(または全くない)、自社紹介をしても見ても聞いてもおらず、それで御社はいつ来るの?と言ったイライラさせられる展開も少なくありません。
しかし、たとえアポイントを取る担当と、決定権がある上司という構造であったとしても、肝心な上司はそれを知る由もありません。
そんなときこそとにかく行動に移す、これが中国企業に対して喜ばれやすいのも事実です。
正直に言って計画性に乏しい中国企業はとにかく手当たり次第に声を掛けます。
上司もわざわざ部下にどういう企業にアポイントを取れ!と指示していないケースもあります。
ただし、その中の一つの候補に挙がったということであれば、少なくともチャンスはあり、そこでの動きの速さには、相手企業の問い合わせに興味があるアピールという意味合いが殆どではありますが、むしろそれを喜ぶ(来ないならそれで終了)傾向が強いのです。
それがある意味メンツ社会と呼ばれる傾向の一端かもしれません。
また、これは営業の裏話ですが、同業他社と圧倒的な違いがある場合、先手を打って行動をして他社にはない自社の優れた点を強調しておきます。
するとクライアントはその内容をそのまま他社にぶつけることが多いです。
例えば弊社はこの地方に代理店があるため、万一の場合でも商品の緊急メンテナンス対応が2時間以内でできますよ、とすれば、他社にメンテンナンス対応にどのくらい時間が掛かるか、と、同様の質問をします。
実際には故障が少なくそうそう緊急メンテナンスが必要なかったとしても、A社が2時間、B社が半日、となると必要な要素ではないそのメンテナンス対応にかかる時間が大きなアドバンテージになるでしょう。
これは後出しでは効果が薄いです。
なぜなら、先手を打って、ああやっぱりA社が言っていたのは正しいんだ!と思われることこそ、自社がより専門的でクライアントのことを考えてくれているのだ、と認識されるからです。