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2020-12-21
瑞幸咖啡 luckin coffeeの懸念点。

先日のブログでは、瑞幸咖啡のビジネスモデルは日本企業が不得意とする点であるとしました。

即断即決のスピード感や、ライバルの模倣、ミクロな市場分析は確かに日本人、日本企業があまり得意としない部分であるように常々感じています。

しかし、それらは中国で企業を成長させる上では必要不可欠な点でもあることは強く感じるところであります。

それにしても、安近短のビジネスモデルが中国で成功するのには、中国人の生活環境が変わってきたこととも関連性が高いように感じます。

横入りに代表されるような中国の無駄な行列というのは段取りの悪さから派生したもののように感じますし、大勢での円卓を囲んで食事とお喋りを楽しむことを好み、一人飯が少ないといった独自の文化から、忙しなく、安近短が好まれるようになるのは、隔世の感を禁じ得ません。

さて、2日前のブログ冒頭に書いたように、そんな瑞幸咖啡でも何もかもが順調という訳ではありません。

それを最も表しているのが、財務状況の虚偽報告です。

これが中国では度々発生してしまう、成功の時期にこそ慎重さを欠く企業体質です。

一度大きな成功を収めると、中国では何でもアリ、自分が一番凄い、ある意味天狗になる傾向が非常に強いと感じます。

これはミクロな部分でありますが、中国人従業員にもこの傾向が強いのです。

例えば、周りからのサポートや自社のブランドの優位性があったために受注ができたプロジェクトを、あたかも自分一人でやれたと錯覚をして天狗になってしまう社員。

努力の結果が自分の者だけだと錯覚してしまう傾向は非常に強く、冷静に分析をして実績を積み続けるという忍耐力にどうしても欠けてしまう傾向は、人であれ企業であれ、中国には多く見られる傾向だと思います。

瑞幸咖啡に置き換えると、発展を遂げることで財務状況を虚偽申告はいただけないことですが、店舗の対応も随分といい加減なものになっているような感じが所々にあります。

以前からいくつか頻繁に利用する特定の店舗がありましたが、彼らの対応はスターバックスには及ばないとしても、きちんと挨拶ができ、丁寧な対応に終始していて、不満を感じることがありませんでした。

ところが、ここ数か月、対応が非常に微妙で、たまたま一店舗、ではなく利用するほとんどの店舗において挨拶もなく、酷い場合はまだ商品ができていないにも関わらずショートメールでの通知が来て店舗を訪れても待たされるようなケースさえあります。

クロワッサンも以前なら温めて待っていてくれたものを、カウンターで冷蔵庫から取り出したそれをそのまま袋に詰め込むようなシーンも目撃しました。

これは偶然なのか分かりませんが、以前と異なり不満を感じる部分が多くなってきたのも事実です。

逆に言えば発展の速度こそ中国には及びませんが、強固な基礎で盤石な態勢を築くことが得意な日本企業であれば、こうした末端のサービス対応に支障をきたすようなケースは少ないかと思います。

アプリ内での優待も随分と顧客目線とはいいがたいような感じで、胡坐をかいていると思われても仕方がないように感じてしまうのですが、これが瑞幸咖啡にとって大きな影を落とすような結果にならないように願ってやまないところです。