以前にも当ブログでご紹介している瑞幸咖啡の件で、今度は事実上退任に追いやられてしまった創業者の陆正耀氏が今度はラーメン店の出店を計画しているというニュースを見ました。
実業家はどこまでいっても実業家なのですね。
当然注目を浴びることは必至で、恐らくかなりのプロジェクトになることが予想されます。
経営手腕というか企業を大きく発展させる手段に優れているのは間違いないので、恐らくある程度の規模まで伸ばすでしょう。
ところで、このラーメン業界、私も以前ちょこーっとだけ、かじったことがあるので、過去には色々と事業試算をしたことがあります。
というのも、日本のラーメン業界は中国人からも大変興味を持たれており、海外進出の可能性としても期待ができると感じたからでもあります。
私も何度か中国人を日本に連れて観光などに案内をしたことがありますが、中国人が楽しみにしている旅行中の食事では、ラーメン店に連れて行ってほしいと要望を受けることが多いです。
メディアなどで取り上げられることが大きな要因ではありますが、元々は中華料理としてのラーメンは日本で独自の発展を遂げていると認識されており、ある意味では代表的な日本文化のように捉えられているように感じます。
とはいえ、日本の食のコダワリ、を体験したいということではなく、どちらかというと日本=アニメ、日本=ラーメンの流れで観光色が強く、「一蘭」のように特殊な環境を見たい等、ただ流行に飛びついているようで、ミーハー的感覚が強いのもまた中国人の特徴です(もちろん一蘭は美味しいですが)。
ですので、もし中国でラーメン店の出店を計画したとしても、その店内環境などに中国人の興味をそそるような趣向が必要でしょう。
さて、私が初めて中国へ飛び立ってから既に20年近い年月が経過していますが、ラーメンといえば蘭州ラーメン。
当時は5元もしなかったものが、今では10元を若干超える価格帯になっていますが、それでも「安い旨い早い」の象徴であり続けています。
しかし、そのラーメンが「味千ラーメン」や「一風堂」では50元も60元もするのです。
これは経済格差というよりは、より安全で良いもの、より快適な空間で食事をすることに価値を感じていることの証明だと感じます。
味へのこだわりは当然大事ではありますが、環境を含めた付加価値でお客さんの心をつかむ工夫が必須であり、チェーン展開をする上では、そうした付加価値を含めて高単価であることも必要です。
しかし、こうして考えると多彩なライバルが存在する中国でのラーメン業界。
小型店で急激に店舗数を伸ばし、アプリを利用した便利さや効率よくコーヒーを提供をすることで一時代を築いた瑞幸咖啡の創業者が、今度はまたライバル争いの厳しいラーメン業界でどのように発展していくのか、注目したいところです。