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2020-12-17
瀋陽の哥们。

出張で山西省のことについても記述したので、今回話に触れておきたいのは瀋陽の私の大事な友達についてです。

4,5年ほど前にとあるプロジェクトで一緒になった内装の施工会社のS社長。

東北人と仲良くなるための合言葉は、朋友ではなく哥们と言います。

私たちは互いに哥们と呼び合いますが、ビジネスで一緒になることは、今まで数えるほどしかありません。

ですが、東北に立ち寄る機会があれば、必ずと言っていいほど、顔を合わせる仲でもあります。

実はこの哥们の関係は時に、面倒くさいと感じることが少なくありません。

例えば瀋陽駅まで行こうものなら前日から何時に到着するかの確認が何度もきて、必ず迎えに上がらなければ気が済まないのです。

また、それがおおよそ7割くらいの確率で遅刻してくるので、結局タクシーで尋ねた方が幾分かマシであったりもするのですが、それにお付き合いしてこその东北哥们ということでしょうか。

日本人とは真逆の豪胆さを持つ彼らですが、経済を見る目、感じる経験は当然経営者ですから養われており、それらを嗅覚で動き回るのもまた彼らの特徴です。

面倒くさいほど熱心で、気持ちのいいほど決断力があるのが東北人なのです。

今回も色々な話をしたS社長ですが、2,3年前から随分と企業経営には苦心しているようです。

多くの地方都市を中心に中国経済が上昇し続けましたが、上海や北京、青島、重慶、広州、深圳、海南などでは世界に轟くビックプロジェクトが次々と催されていますが、ピックアップされるような目玉プロジェクトが東北にはかなり少ないように感じます。

それらは地価の上昇率などから見ても読み取れるところでしょうが、そうした危機感を東北地方の経営者からは度々聞くことができます。

良い意味で横ばい、やや上昇、東北での企業活動は厳しい気候も相まって、なかなか簡単ではなさそうです。

そんな中、真逆の海南島ではハワイ化計画などのプロジェクトが幾つもあり、私の知人の東北人でも開発プロジェクトに投資をしていることを何度も見聞きしました。

実際にそうした流れに乗って、東北人の南方流出化は確実にあるように見受けられますが、S社長も2,3年ほど前から名乗りだしたのが、深圳への進出。

幸か不幸か香港の経済市場の混乱により取って代わって更に上昇を続ける深圳。

地価上昇もさることながら、経済の中心地として注目されているのも間違いなく、S社長自身も着々と深圳での売上高を伸ばしているとのことでした。

私は熱心な东北哥们、寒い地域で食べる烤肉串とビールが大好きでしたが、東北地方の経済は決して順調ではないと感じられました。