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2021-05-27
温浴施設での客単価の考え方。

客単価は売上計画、事業計画をする上で当然相当大切なことであります。

日本と中国ではここに大きな違いがあるように私は度々感じていて、更には中国のそれは非常に読みにくいと感じます。

なぜそう思うかというと、まず中国は広い、からです。

何を突然、と思われるかもしれませんが、例えば上海市や北京市とその他の都市や田舎ではそもそものGDPやその土地に住む人の平均所得が大きく違います。

東京と北海道ではそれほど大きな差がないと思いますが、中国の場合は2倍前後違ってくるケースもあります。

経済格差によって一般市民と経営者や財産を持っている人の財政的な余裕にも大きな差がありますので、例えば上海市と同じ規模の施設、同じ入場料を提示したとしても入場者数に大きく差が出るでしょう。

上海市の一般市民がちょっと贅沢になる価格帯が、地方都市のちょっとしたお金持ちの価格帯と一緒だったりもします。

これは自動車などでも一緒で、例えば上海市で恐ろしいような高級車が走っていたり、一般的な人でもトヨタやホンダ、レクサスやBMWやメルセデスベンツといった車種に乗ることはままありますが、地方都市に行くと、圧倒的に国産車の比率が多いのがすぐに分かります。

とはいえ地方都市の方がみな国産車という訳ではなく、高級車に乗られているケースも当然あります。

経済格差と都市格差、この二つが大きなポイントになるため、万人に適した価格設定というのがそもそも非常に難しいということが言えるわけです。

次に、価値観や商圏といったところの問題です。

日本でスーパー銭湯といえば、お風呂に入って清潔になって、コーヒー牛乳を一気飲みして健康になる。

こんなイメージだと思いますが、中国の場合は日本のような生活の流れの一部というよりは、まさしくレジャーです。

日本のスーパー銭湯は不景気に強いとよく耳にします。

それは安近短の低価格帯の経営であることが原因ですが、一方、中国で日本と全く同じスーパー銭湯を経営したところで儲かることはありません。

なぜなら毎日お風呂に入るという常識がそもそも存在しないからで、そうした理由からもレジャー施設という色合いが濃い(濃くすべき)のです。

そのため、決して毎日行くわけではないものの、付加価値が高く、面白いイベントが行われているようなスーパー銭湯に行くのであれば、多少高額であっても需要があるということです。

カラオケに行こうか、それともディズニーランドにしようか、それともスーパー銭湯に行こうか。

これが中国人が考えるスーパー銭湯の位置づけなので、客単価が高いのも頷けるところです。

もちろんそのためには日本のスーパー銭湯よりも大き目なスペースが必要になるでしょうし、実際にそれが数々の成功事例を生んでいます。

いずれにしても、中国で成功を収めるためには、現地の方が感じる適正価格の設定、そして現地の方に喜ばれる施設づくりが重要となる訳です。