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2021-11-11
極楽湯碧雲温泉館へ行ってみた(2021年11月)。その4 ~ちょっと細かい極楽湯の話~

□極楽湯体験記最終章 ~中国のサウナ人気~

長々と書き連ねていきました中国上海市にある極楽湯碧雲温泉館の話。

いやあ、やっぱり大きな浴槽にどっぷりと浸かれるというのは、心身ともに大変なリラックスになります。

何度この極楽湯のお風呂に救われたことかと、大げさではなく思わされます

さて、今回気がついたことをまた書いていきたいと思います。

浴場は当然写真撮影ができなかったのですが、一つ気になったことがあります。

それはサウナ人気についてです。

実は極楽湯の中国店舗、この浦東新区の碧雲温泉館、2号店でもある上海浦西地区の金沙江店と乾式サウナがありますが、それ以降の極楽湯店舗には(たしか)サウナがない(もしくは縮小している)はずです。

それもそのはず、開業当初90℃近くに設定されたサウナ室は利用者がほとんどいませんでした。

中国におけるサウナについても、また今後ブログにしていきたいと思いますが、当時の中国の様子を見る限り、日本と違ってサウナが温浴施設の目玉とはなりえないような感じでした。

今回のたった一回の体験記でそれらを相対的に評価することはできませんが、明らかに今回サウナ室に入室者数が増加していた印象が強烈でした。

温度計がなかったため実際のサウナ室の温度は分かりませんが、体感的には70℃前後で、私のようなサウナーにはかなり物足りない感じでした。

今回、やたらとサウナを出入りする人がいると感じたので、サウナ室内のテレビで注目される放映でもされているのかと思いきや、そうではなく、友達と集まってサウナに入ったり、常連さんっぽい雰囲気の方が黙々と汗を流されているシーンを多く目撃したのです。

明らかに以前と異なる雰囲気があったことは特筆しておいても良さそうです。

以前と一緒で水風呂は一切人気がありませんでしたが、こちらは20℃を下回る温度が設定されていて、十分に楽しめる下地があっただけに、今後の中国でのサウナ人気には注目したいところでした。

このようにいくつかの岩盤浴の部屋が日本の温浴施設と全く似た形式で7部屋ほど用意されています。

岩盤浴は女性を中心にそれなりに人気がありそうでしたが、それでも在館者数に対する割合としてはやはり物足りません。

美容と健康をかなり重視されている中国人女性にはこの日本式岩盤浴は大変人気が出そうなものなのですが。

ちなみに、極楽湯よりも先んじて中国に進出している(2000年初頭~)韓国式のスーパー銭湯があります。

「纽斯洗浴」NEWSTARと呼ばれるこちらの韓国式の温浴施設では、岩盤浴の利用率がなぜかかなり高いのが特徴です。

内容やシステム(入場料に含む)は極楽湯と一緒なのに、なぜかこの韓国式のスーパー銭湯では利用者率が全然違うのです。

これは韓国映画や韓国ドラマで一時期岩盤浴を楽しむカップルを放送していた影響で巻き起こったブームが起因しているのですが、それでも施設の内容がほとんど似たような形式なのにこの差には違和感もあります。

中国人の利用客の中で無意識的に岩盤浴=韓国が本家で、日本=お風呂という印象が根付いているのでしょうが、いささかこの行動原理を理解するのは難しいところです。

■最後に極楽湯の圧倒的な凄さのポイント

ここまで色々な極楽湯の変化や周辺環境の変化等々を書き連ねてきましたが、最後に一つだけ、開業後からほとんど変わりなく、それでいて他の店舗よりも圧倒的に優れていることがあります。

それは案内板、館内掲示などのサインです。

こちらの写真は一つの代表例として撮影させていただきました。

レストランとマッサージエリアや休憩ルームへと繋がる踊り場です。

何気ないシーンですが、左側にはスツール上に置かれたレストランのメニュー表、写真中央部には館内のそれぞれの施設を案内する掲示、足元には目立つ赤色でデカデカとマッサージルームが案内されています。

階段の先にはマッサージルームへの案内や料金案内などがなされています。

中国に住んだり、来たことがある人なら何となくご理解いただけるかと思いますが、中国でのこうした案内掲示やサイン掲示は非常に見ずらいです。

温浴施設に限らずホテルや空港でトイレの場所が分かりにくかったり、入口出口への誘導もかなり下手だったり。

この写真はあくまで一例で、館内のいたる所、館内着や更衣室の利用方法、浴槽の効果効能の説明だったり、床で滑るので転倒防止を促す注意書きや、館内のいたる所の表示、サインがとにかく見やすく、いやらしくないデザインで内装に溶け込んでいます。

館内掲示は全体的に文句のつけようがないレベルの高さで素晴らしいのです。

これらは開業前の計画段階から練りに練った設計段階から検討されていなければ実現できない専門的な部分ではないでしょうか。

何だ、そんなことかよ、と思われてもしまいそうですが、日本でもサインが分かりにくい施設は少なくありませんし、やはりこうしたところが開業時から変わらずできている、というのは日本が誇る極楽湯の素晴らしいところではないでしょうか。

帰りがけにもふと注意書きが頭に浮かんでしまうような、妥協なき徹底ができているのです。

こうした小さなことから日本の「おもてなし」が感じられる極楽湯人気には、まだまだ底が見えないなあと、個人的には大変唸らされた部分でもあります。

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