NEWS/TOPICS

2021-11-10
極楽湯碧雲温泉館へ行ってみた(2021年11月)。その1 ~極楽湯の現在地~

□極楽湯碧雲温泉館(1号店)へ行ってみました

碧雲温泉館は所謂上海第一号店で、もう既に数十回以上は通っている自称ヘビーユーザーの私ですが、2013年の開業から9年が経過しようとしています。

9年近く経過しているので細かいところで施設の消耗はところどころ見受けられてしまいますが、何度もマイナーチェンジを図っていて、大枠に変わりはないものの、お客様に飽きさせない運営方針は、さすが世界の極楽湯です。

以前は来館者の靴をスタッフが預かり、どこかの部屋でまとめて管理している手動方式でしたが、現在ではこれらも絶えずマイナーチェンジしながら、かなり機械化された印象です。

人件費の高騰、業務の煩雑化からこうした手法に変更してきているのでしょうが、お客様との接点を大事にする接客と無駄な人件費を削減する合理化は若干、矛盾する部分でもあります。

とは言えシステムが変わっても、活気よく出迎えてくれるスタッフさんは相変わらずです。

結論から言うと、極楽湯といえば上海市内で日本式温浴ブームを巻き起こしたキッカケとなったパイオニア的存在ですが、その人気はまだまだ衰えることがありません

業界内でのブランド力も未だ中国の温浴業界ナンバーワンであることは間違いありません。

■お風呂屋さんに行列ができる伝説

2013年の開業当時、彼らの施設はとんでもない人気を誇りました。

館内はお客さんでパンパン、ロッカー数が足りないので、週末のお昼には数百人が列をなして入場を待つんですからある意味伝説的とも言っても良いほど、恐ろしいことです。

それに比べれば正直集客力こそ落ち着いてはいます(中国では致し方ないこと)が、かなりの高いレベルでまだ維持をし続けているのもまた事実です。

□温浴施設の価格相場とコスト上昇による値上げ

経済状況にも伴って、当時から入場料も少しずつ変移しており、現在は158元(約2,370円前後)。

9年前の128元(約1,920円)から30元(450円)の値上げで、上昇率は20%弱程度となり、これは中国のサービス業界からすれば妥当なところです。

思えば当時はマッサージの路面店が同じような価格帯(80元~120元程度)で、今では同程度、もしくはそれ以上の値上げ率(100元~170元程度で20%を超える上昇率)であることがほとんどなので、それほど目立った上昇率ではありません。

この日は11月第一週の土曜日ですが、冬場に繁忙期を迎える中国の温浴施設なので、これから更に大きな収益の波を迎えるところといった時期です。

今回は細かい話は抜きにしますが、正直、やはり施設全体で消耗が見られる部分が少なくありませんでした。

もちろん中国のローカル施設と比べるまでもなく、9年も経てば閉館に追いやられるような施設が多い中で10年、20年継続できる温浴施設であることは間違いありません。

消耗しているなーと感じてしまうのは、日本人目線であり、専門家目線でもあり、もちろん使用するに問題はないレベルでもあるので、中国のお客さんが気にされるかといえば、ほとんどの人は気が付かないようなレベルの消耗かも知れません。

以前記事にしたこちらの近隣(模倣?)店舗と比べれば、その消耗差は雲泥の差ではあります。

とは言えこれらは極楽湯の管理体制もさることながら、建築費自体がこうしたローカル施設の2倍、3倍となっているはずなので、長期的視点で収益を挙げるためにはメンテナンス保持も重要な運営要素になるでしょう。

絶え間ない運営努力の賜物であることは間違いありませんが、それでもやはり投資金額に嘘はないなと感じられます。

投資と運営管理、この2つがしっかりしている極楽湯碧雲温泉館が、まだまだこの先、十分に第一線の温浴施設として活躍できることは、疑いようがありません。

逆に言えば大きな投資をすれば運営管理を強化しなければならないし、大きな投資ではなくとも運営管理で施設が長期的に運営可能な状態に維持ができることもあります。

多くの中国人オーナーが2,3年で投資回収したいなどと青写真を描きますが、温浴施設の運営はそんなに簡単なものではないのだぞ、というのはぜひ理解してほしいなと思わされるところです。

■上海極楽湯の現在地 ~経験値の高さで他店舗を圧倒~

さて、施設内ですが、冒頭の通り施設のラインナップそのものには大きな変化こそありません。

お風呂、岩盤浴、飲食、マッサージに休憩ルーム。

大きな館内施設の変更としてはエステルームやネイルサロンがなくなり、日式ラーメン店になっています。

VIPルームがなくなり、一部をホテル形式の運営がされるようになりました。

面積的には大きな部分での改造、改装になったはずですが、売上分析などを経て効率良い施設のあり方を目指していることも分かります。

こうした運営方針の転換にもやはり店舗運営の経験値の高さが伺えます。

日本から情報が得にくい中国温浴市場で、更に日本のコロナ禍ダメージからサービス業全体でマイナスの印象も少なくないかもしれませんが、少なくとも上海の極楽湯碧雲温泉館はまだまだ根強い人気を誇っていることが明らかです。

↓ローカル温浴業界をも知り尽くした中国の温浴施設のことならなんでもお問い合わせください!↓