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2020-10-29
是非お急ぎご連絡をいただきたい。

今回は先日ご連絡をいただいた日本の設計会社S社様の日中間での商取引トラブルを、S社様よりご許可をいただいて一部、ご紹介します。(以下、敬称略)

日本にのみ法人を有する設計会社のS社、ひょんなことから中国で日本料理店の展開を検討していた中国企業のM社より、設計依頼を受けました。

S社の実績を見ての依頼であり、商談はとんとん拍子で進み、S社の雛形で日中文に翻訳したものを契約書として無事に設計業務委託契約書が完了しました。

S社とM社の両社では設計図提出まで数度、ビデオ会議などを通して相互交流をし、S社は設計図を完了させてM社へ指定のとおり提出。

しかし数日の時間を経てM社より打ち合わせと異なると意見が出たため、設計図の修正依頼があり、S社は依頼内容通りに修正、修正、修正。

S社が痺れを切らすまでにこの修正は7、8回繰り返されたと言います。

提出時に支払いを受けるはずですが、この修正が何度も続くために支払いも受けられず、またM社からの修正依頼もS社が考える理に適わないようなものばかりだということでした。

この時点でお問い合わせをいただいたのですが、最初にご相談を受けた時点でうーんと唸ってしまいます。

そして、その危惧は実際の問題点と残念ながら合致してしまいます。

その問題点とは、契約書、です。

契約書は日本で通常使用されているS社の雛形を利用したものであり、残念ながら曖昧な表記や、無記載の取り決めが非常に多いものです。

日本では常識の範囲で通用するであろう契約内容も、中国の常識とは言えないものも多く、もちろんS社だけに責任がある訳ではないものの、どちらに非があると判断するにはあまりにも簡潔すぎる契約書です。

例えば数度繰り返されたビデオ会議、掘り下げて聞いてみると毎回相手の参加者はバラバラで、時間通りに実施されないことも多いだけでなく、議事録を見ても、M社としての意見なのか参加者の意見がパラパラと出された、といった感じでした。

最終決裁者の意見が反映されているか疑問で、その決裁者と思われるM社の社長は毎回参加する訳でもなければ、参加しても一部の時間だけだったそうです。

もちろんこのビデオ会議に関する規定は契約書内に定めがありません。

また成果物を何度となく修正された、とのことですが、こちらも契約書内に規定がなく、何を持って成果物とするかの定義も曖昧で、ただ提出日時が指定されているだけでした。

今後この件を担当させていただくことになりそうですが、既に手段は定めているので恐らく交渉で揉めることはないかと思います。

しかし、S社がもう少し早く、少なくとも契約書の締結前後で弊社にご相談をいただいていれば、ずいぶんと楽に進められることができたのになあと感じさせられます。

もちろん、そのタイミングではこうした懸念は思いつくこともなかったのでしょうが、初めての中国との取引、初めてでなくても今まで何となくの流れで進めてしまっている中国との取引、契約書、是非一度ご相談ください。

相談はいつ何時でも完全無料で、中国に関することならどんなことでもご連絡をいただければと思います。

こうした事案は基本的に成功報酬制ですので、変に気を構えずにまずはお気軽にご連絡をください。