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2020-12-02
日中両国でのコロナ対策の違い。

中国の報道が不正確だ、と日本の世論はことこの件において敏感だが、残念だが我々日本人がどう騒いだところで、それが突然変異することはないでしょう。

しかし10億人を越える人口を誇り、広大な国土を有している中国ではその実情は人々の動きを見るととても分かりやすいと私は思っています。

例えばコロナ感染者が浦東で発生したニュースが出ると、そこには大変敏感で、私が浦東に住んでいることを知ると冗談半分でイジってきたり、時にはかなり真剣な表情で浦東のどの辺に住んでいるかと聞かれることもあります。

今回の隔離生活の中でもコロナに対する取り組みの違いを若干感じていました。

まずは大小便時には、支給された薬剤と共に排泄物を流すように指示されました。

排泄物が感染源になると考えられているのでしょうが、これは日本ではほとんど聞いたことがない、取り組みとして実施されていない部分です。

何よりも隔離の行為自体が絶対的で、「疑わしきは隔離」という新たな名言が出るほどですが、ご存じの通り健康コードの表示が一たび異なる色となってしまえば、行動を制限させられる強制力がそもそも日中で大きく異なるのですが、実際の感染予防の対応、注意喚起に違いがあり、こうした些細な違いがあるのはなぜでしょうか。

日本では当たり前になった飛沫防止でレジやカウンターに設けられたシートは中国の街角ではほとんど確認することができません。

それからショッピングモールや飲食店の店頭では、手の消毒液が設けられていることがほとんどである日本に対して中国ではほとんど見受けられません。

既に中国でほぼ完全な鎮静化したことの証明かもしれませんが、それにはやはり一時的に湖北省以外でもほとんどの人がコロナを恐れて1,2か月ほどの期間、自主的にでもロックダウン状態に入ったことに対する効果こそが最も大きかったのではないでしょうか。

そもそもハッキリと言って、中国の衛生環境は日本のそれと比べるまでもありません。

トイレは不衛生ですし、一般人が口にするような飲食物でお腹を下すことも頻繁で、飲食店のテーブル、それこそ厨房も日本人が信用できるような代物ではありません。

マスクこそ共通のアイテムではありますが、アルコール消毒を使用している人はほとんど見かけません。

つまり今日本で行っているこれらの感染症対策は、鎮静化へ向けての行動指針でというより、感染を広げないようにする苦肉の手段と言えるかもしれません。

ということは、鎮静化しなければこの状態が永遠に続いてしまうことの裏返しで、一度根絶しなければ無駄なことが繰り返されるのです。

こちらで生活をしていると、当たり前すぎる日常が怖く感じることさえあります。

日本ではあれだけ制限を受けたり常に注意を払い、人込みを避けて行動をすることが習慣になってしまっていました。

その制限は当たり前のように生活の中に馴染んでしまったため、中国で生活をしていると、逆にそれらをしないことに不安を感じるほどです。

朝出かけるときに、マスクしなければならない脅迫観念のような感情になったり、食事前や入店前にアルコール消毒ができないと胸騒ぎがします。

確かに色々と世界から批判されることの多い中国ですが、この日常を体験してしまうと、日本の感染症対策を批判するわけではないのですが、経済で更に一歩後れを取ることが必至です。

とにかく一度何らかの手段、、と言っても隔離を実行するしかないのですが、根絶をしなければ日常には戻れないように思います。

これが日本経済に与える影響も大きく、中国での日常を見ていると、不安でいっぱいな気持ちになります。