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2021-02-22
日中で子育てを考える。

春節明け一発目のブログとなりますが、ふと気付くことがありまして書いてみました。

先日介護施設について中国は公的資金が投入されずビジネスとして合わないと話をしましたところ、いくつかの反応がありました。

それは中国での老人介護施設への注目度が高まっていることへの証左でもある訳ですが、あくまでビジネスの視点で考えたときに、むしろ少子高齢化に拍車を掛けている出産率の減少や子育て環境はどうなんだ、と考えさせられました。

過去の記事はこちら↓

日本では介護施設については公的資金が投入されていて、子育てについても各市町村で支援金が支払われることがあり、少子高齢化に歯止めを掛けたいという思惑もしかり、子育てしやすい環境づくりというのは、街づくりの一環ともなっているように見受けられます。

様々調べてみると、これらに関しては日中ともに違和感だらけであるという印象を受けました。

まず、日本は前述の通り、高齢者に対しても出産、育児に対してもそれなりの保障や支援があるものの、その支援金を頼ってベビーシッターを雇ったり、家政婦に家事をお願いするといった意見は稀でしょう。

育児手当はミルク代、オムツ代にこそなれど、ベビーシッターの人件費を負担するための役にも立つほどの手当てではありません。

男性の子育てに対してはここ数年で考え方が変わりつつあるものの、女性の社会復帰を支援するという意味でも、子育て支援に対する社会的な保障はかなり冷たいように感じないでもない訳です。

一方の中国にはこれといった保障はないように感じますが、両極端な考え方としては、中国では出産休暇、育児休暇は当たり前のように取得します。(本来は日本が取得しなさすぎるのが正解)

とはいえ実際に法定育児休暇の数か月で社会復帰するのは、現実的にかなり難しいと言わざるを得ません。

そのため、多くのケースでは生まれたばかりの子供は両親に預けたり、ベビーシッターに預けるというのが今や一般的とも言える社会通念にもなっているような印象です。

日本ではまだ数か月の赤ちゃんを両親やベビーシッターに預けるというのは稀かもしれませんし、何だったら近所の目を気にしてしまいそうですが、これも女性復帰を促すという意味では決して間違いではないはずです。

お互いの国として何も誤りはないのですが、それでも何らか若干の生活し難さが少子高齢化に拍車を掛けている一面は少なからずあるようにも感じます。

日本人として中国人に対して違和感があるのは、自分の両親を老人介護施設へ入居させるのはためらうのに、生まれたばかりの赤子の子育てを両親であったり第三者に委ねることができてしまうという点。

一方で、既存の権利を自由に利用できなかったり、その権利が高齢者にばかり集められて、子育てには冷淡であるような気がするのも日本の違和感でもあります。