NEWS/TOPICS

2021-01-15
政策ばかりに目がいきますがもっと大事なこと。

先日の石家庄市のロックダウン、中国のあれだけの厳戒な体制下でのロックダウンにかなりのショックを受けましたが、思うところもありました。

日本帰国してようやく2週間が経とうとしていますが、おとなしくしている中でどうしてもワイドショーなどを見入ってしまいます。

どうでもいいニュースも多い中でも最も多い話題はやはりコロナ関連。

緊急事態宣言が首都圏に出されたこともあり、私が住む愛知県でも予断を許さない状況が続いています。

そんな中でふと感じることがありました。

確かに日本と中国では政治そのものの考え方が異なるものの、それは一旦置いておくとして、今回の石家庄市のようなロックダウンは果たして日本で実行することがでいるのかということです。

いくつかの報道でもある通り中国共産党員の数千万人が中国にはボランティアとして存在しているようですが、日本には同じようなボランティアを集めることができるでしょうか。

それがたとえ有償であろうが無償であろうが、人的支援はコロナ禍においてかなり重要なコンセンサスでもあります。

ニュースでは医療関係者や保健所の従業員さんが人手不足を嘆いています。

それもこれも人的支援のバックアップがないことも一因ですし、もし人的支援が得られたとしてもマニュアル作成から行動指針を指揮する人も必要となるでしょう。

PCR検査の大規模な実施にしてもそうです。

石家庄市では全人民の1,100万人余りにPCR検査を実施したそうですが、もちろん人口が違う両国ではあるものの、果たして日本で同様の検査を実行できる態勢があるでしょうか。

強制的に行うことはそもそも日本の制度では難しいでしょうが、大規模なPCR検査の実施には人的支援だけではなく資金も必要となるでしょう。

またロックダウンを実施したとして県境を封鎖することなどできるでしょうか。

それにも同様に人的かつ金銭的なバックアップが必須であることが明白で、日本では抜け道ができてしまいそうな気もします。

もちろん私は強制的な政策を実行せよ、と言いたいわけではなく、そうした体制がそもそも成り立たない脆さを指摘しているメディアが少ないなと感じた次第なのです。

緊急事態、非常事態、医療崩壊などと過激な言葉がメディアで報じられる一方、実際には無機質な数字だけが淡々と報道され、この緊急事態において真の課題に触れられていないようにに感じてしまうのは私だけでしょうか。