NEWS/TOPICS

2021-09-21
恒大不動産の危機についての話。

私の中国での知人で不動産と株式投資を得意とするM社長がいます。

頻繁に日本の証券取引事情についても私に聞いてくれるのですが、いかんせん私は専門家でもないのでどうしても薄っぺらい話になってしまったり、日本のニュースを調べて翻訳したものをそのままお伝えするような関係が続いています。

そんな折、たまたま連絡をいただいたので、恒大不動産について聞いてみました。

日本でも結構ニュースになっていることを伝えると、彼も納得したような印象でしたが、M社長が言われたのは大変強気な意見でした。

彼が言うには、まだまだ未成熟な中国の株式市場や大手企業は、中国国内の未完成な経済発展状況の中で政治的にも特に恒大集団をみすみす倒産させたり、大きな打撃を与えることは回避するだろうとのこと。

恒大集団はグループ全体で年間400億元(6,000億円)を超える額を納税していて、これはトヨタ自動車と同等の納税規模であり、その大きさが分かるだろう、と教えてくれました。

とはいえ冷静な分析をしているM社長は危険度についても教えてくれました。

具体的な金額を交えての説明でしたので、ここではあえて多くは語りませんが、要点をまとめると、中国政府と不動産業界の軋轢が生まれ始めていることです。

10年前ならいざしらず、特に近年は高騰しすぎる不動産が国民生活にも影響を及ぼしていることで、仲違いがある可能性は否定できないということでした。

2年ほど前に政府は恒大集団などの大手不動産企業に向けて、不動産価格の調整要請や指導を再三行ったそうです。

経済の大きな発展に伴い、中国国内で不動産投資家も増加傾向です。

その舵取りに政府が動き始めている、とM社長。

これまでは経済発展の指標として不動産価格を上昇させていたのですが、国民の生活がそれに追いつかないような状態も続いていて、不動産を持っている人間(経済強者)が不動産を買えない人(経済弱者)に賃貸することで収益を得ていました。

それが経済格差に拍車をかけてしまっていること、そしていよいよ経済層的な中級層までもが不労収入としての不動産収益を上げることに一生懸命になってしまっていて、労働意識の低下を招いている、とも見ているようです。

冗談のような話ですが、躺平族(所謂ニートのようなもの)と呼ばれる人々の増加を政府は相当懸念しているそうです。(政府報道でそれらを全否定するような記事を掲載)

彼らは何も収入を得ずに生活をしている訳ではなく、両親などから受け継いだ不動産収入で生活ができるようになってしまっているのだと、M社長も主張しています。

それを躺平族に代表される労働意欲の低い人々の増加を手伝っているのが不動産収益の高騰によるものだと考えているフシもあり、それに対して真面目に労働をしている人材の収入が比例しない状況を打破するために、不動産価格にテコ入れをする目的で恒大集団の危機を無視する可能性があると指摘しました。

実際私の周囲でも不動産を他者に賃貸して収益を得ている人が相当数いますので、それはそれで確かに説得力もあります。

とはいえ、M社長が言うには、不動産業界、都市開発を生業とする業種では支払いの遅延はごく当たり前のことでもあり、裁判沙汰もよくあることで、何を突然騒ぎ出しているのかとも思えてしまう、とのこと。

その報道の加熱化が政府による恒大集団に対する警告だとしたら、今後しばらくは不動産価格は安定するだろうし、政府としてはそれで満足するのではないかとも言われていました。

様々な憶測が飛び交うところで、私のような凡人に知り得ないバックグラウンドがありそうですが、日常生活を送る上で安定的な家賃相場であってほしいとは思うところです。

さて、最後に企業宣伝ですが、このように不動産業界もそうですが、中国経済はまだまだ発展はしつつも不安定な状況があるのも事実です。

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