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2020-07-30
強気の一手。

今日は中国で私が長い時間お世話になっている社長と少しお話をすることができました。

お互いに全く異なる業界ではあるものの10年近いお付き合いをさせていただいており、とにかく強気強気の経営で心が励まされることも多いのです。

日本の本社とベトナム、中国に足場をお持ちで、それぞれを自らが必ず2、3か月に一度は時間を掛けて滞在しながら見て回るそうなのですが、残念ながら今年初めに一度行けただけ、とのことでした。

私はベトナムの経済のことをあまり存じ上げませんが、中国の状況と似ているようで、停滞期を脱出してこれから上昇を見込んでいくと意気込んでおられました。

中国には世界情勢と同じくして、10年以上前に工場として機能させていたのですが、経済発展に伴いつつ手放すことは考えず、むしろ以後生産拠点とするベトナムの先生役として機能させることに成功しているのは、様々な困難を乗り越えた手腕の軌跡でもあるようです。

私が彼を素晴らしいと尊敬しているところは、決して本社一辺倒で経営を動かさないところです。

多くの海外進出企業が【拠点】としてそれを見ていることが少なくありませんが、この社長の考え方はそれぞれに独立させる力を持たせながら、互いに共存させるためのグループとして機能させることを念頭に置かれています。

そのため、目先の資金繰りなどは完全に独立させて考えており、業績の良し悪しに合わせてそれぞれの子会社にあった発展の仕方をさせていることが、注目に値する点でしょう。

中国のことでいえば、もともと安い賃金を利用した生産拠点でしかなかったのですが、労働賃金が上がった今はベトナムと日本を結ぶ拠点として、先述のようにベトナムの工場勤務者を研修させたり、そして今では中国国内販売に目を向け、ベトナムで生産したものを簡単な加工で市場に売り出すなど、手法を変えて独立して生業が立てられるようにシフトチェンジを行ったのです。

日本を含めたどこの拠点が良い、悪いではなく、それぞれが現地に合わせたアイデアで方向性を定めていく、このビジネス感覚は類稀なものを感じます。

もちろん一筋縄にはいきません、一朝一夕にもいきませんが、今回のコロナについてもこんな風に語ってくれました。

ピンチはチャンスとは良く言ったもので、今回のコロナは確実に未曽有の危機をもたらしていて、そうそうに匙を投げる経営者が多いが、俺はそうはいかない、守るものがたくさんあって、彼らが絶えずアイデアを持ち掛けてくれる。

消費の落ち込み、と言われるが自分の会社のように従業員の給与が下がることもなければリストラもしていない。ならば単純に消費が落ち込んでいるのではなくて、消費の方法が変わっただけだ。

当然今まで通りのやり方をしていては、いずれ淘汰されるだろうけど、私はいつも変化してきた。変化することに慣れている私たちなら、きっと今の時代に合わせた戦い方ができると自信もある。

どこまでも強気で格好いい経営者だと思いました。