強かさとは中国事業を展開していくうえでとても重要な要素かと思わされる出来事がありました。
日本でも営業力の高いことで有名な、とある知人の会社があったのですが、数年前に中国に進出した際には販売商品の特徴からあまり中国受けするのは難しいのではないかなーと思っていました。
実際に彼らの同業他社は中国ではじり貧と言える状態でした。
理由は恐らく高いからで、日本で販売している製品を、そのまま中国で販売するというのは余程な開発力、もしくは中国では手に入らない、製造されていないようなすきま産業であれば別ですが、結局は価格競争で太刀打ちできるはずもありません。
少しの技術力ではあっという間に模倣されてしまうというのは、日本人でも誰もが知っていることではあると思います。
彼らの進出当初の予想は模造などのリスクこそあれ、発展性は難しいというのが大方の見方だったはずです。
ところがまだまだとは言え、着実に実績を延ばし、いよいよ業務拡大をすると連絡がありました。
詳しく聞くと、そもそも中国参入の計画は元々日本で販売していた製品販売が目的ではなく、中国での仕入先の拡大と日本と中国で新たな販売商品の確立であったとのこと。
赤字覚悟で最初の数年間は市場で勉強をして、可能性を感じながら虎視眈々と次の計画に動き出していたわけです。
そんな赤字状態でも、気が付いたのは中国の莫大な市場で、それさえも利用していこうというのです。
これを強かと言わずに何と言いましょうか。
既定路線を着実に実行しながらも、新たなチャンスを常に伺っていた企業体質だと思います。
製品範囲の拡大、市場の拡大、仕入先の拡大という三大テーマを確実に成し遂げたこの計画には天晴と思わされました。
中国ではこのように営業を展開していくうえでリスクは当然あり、それでもチャンスは日本より多く転がっています。
そうしたリスクを犯しながら敏感に、強かに戦って行ける企業はとても強いなあと感心させられます。