よくある売掛金回収業務への不安で聞かれるのが、今後の取引に影響があるかどうか。
私の答えとしては、少なからず影響はある、です。
ただこれ、日本のそれとは比べ物にならないものです。
例えば私も交渉事で厳しい意見をはっきり伝え、場合によって弁護士さんを巻き込んで、、、と、まさに泥沼化することは少なくありません。
しかし、その後に私のところにアッサリと連絡がくることも少なくないのです。
あっけらかんと、新しい事業で必要な日本人の人材を紹介してほしい。
とか、
もっと酷いのは、新規のお客さんを紹介するから、成功したら手数料として5%くれないか。
とか。
日本では、ちょっと考えられないですね。
もちろん関係性が全く保てない場合もあります、その理由はメンツを潰されたとか、正直って約束を守らないのだから、こちらからしたら言いがかりです。
そうした場合を除いて、理解できる言葉が、性价比という言葉。
日本語に直訳すると費用対効果ということです。
しかしこの費用対効果、日本語のそれと中国語のそれでは認識に差があるように思えます。
これは価値観の違いで仕方がありませんね。
具体的に言うと中国人としては、法廷に行くほどまでに揉めた出来事ではあったものの、私、もしくは相手企業には利用価値がある。ということです。
私はこの考え方、嫌いではないです。
もちろん支払いや約束がスムーズに履行されることが、当然ベストではあるのですが、もめ事があったとしても後に引きずらないという意味では助かることもありますね。
もちろんこちらが、もう貴方とはお付き合いできません、と回答してしまっても良いわけです。
でももし、そんなことをしようものなら、きっと中国人からこう言われるでしょう。
勿体ない、と。
これもこれで日本人には理解しにくいものですが、実際そうなのです。
また、中国の売掛金は権利があった日から2年間以内に実質的な交渉をしなければ、その売掛金の回収権利がなくなるという法律があります。
そのような事例があれば、どうぞお早めにご連絡を。