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2020-12-15
各地でのコロナへの想い。

前述のとおり、中国の西から北へと出張をしてきましたが、どうしてもコロナ禍の話題が尽きません。

そんな出張時で聞いてきた人々の想いを聞いた印象を書いていこうと思います。

まずは太原市から南へ200キロほどの山西省呂梁市の交城県という日本人には聞きなれない地域。

小さな町で、ショッピングモールもないような場所、田舎ではありますが落ち着いた数年前の中国というイメージです。

小さな田舎町とはいえ人口は22万人ほどの、この交城県、コロナ感染者は未だにゼロです。

山西省自体がコロナ感染者が少ない地域ではありますが、交城県では心なしかマスク着用率も低いように感じます。

しかしコロナと無縁な生活を送っているかというとそうではなく、全国に蔓延し始めた2、3月には外出が規制されたそうです。

対応はマンションの区画である小区によって異なったようですが、今回お会いした中国人経営者の方の小区では入り口がベニヤ板で打ち付けられ、2週間ほど事実上出入りが禁止になったそうです。

ただ、そこは中国の田舎町、マンションの守衛さんに少しの差し入れを行うとベニヤ板の隙間を案内され、出入りが可能になったと笑っていましたが、ここでもその強制的な管理に否定的な意見は聞けませんでした。

一方の山西省の省都である太原市、こちらも感染者こそ少なかったのですが、同じく小区によってはかなり厳格な体制が敷かれていたようでした。

知人女性に話を聞くと、彼女は街の西側の市街まで10キロほど離れた地域に住んでいますが、交城県と同じく厳しい隔離環境が徐々に解除されると、一家族、一戸に1枚の通行証なるものが渡されたそうです。

それを持てば、外出こそ可能ではあるのですが、前述の通り一戸に1枚しか渡されないため、家族の誰か一人だけしか外出ができないことになります。

これは出社可能であるということではなく、生活のための買い出しが許可されるという意味合いのものだったうです。

東北地方の中国人でサービス業を営む経営者は、開業後すぐにコロナに襲われ、経営が心配で寝付けないほどの状態だったそうです。

それもそのはず、政府からの支援などもなく、貯金を切り崩すしか生活することができず、投資をしたばかりで収入も見込めないという切羽詰まった状態だったのです。

彼は結局この半年で自分が保有するマンションを売り払い、経営資金に充てたそうです。

長春市で会計会社を経営する中国人経営者曰く、今年は中小企業の倒産は1、2%、いやもっと多いかもしれないと表現し、多くの惨状を訴えていました。

また日本同様に銀行からの貸し渋りも目立ち、負のスパイラルは止まらなかったとも言っていました。

中国ではこれらの街を見る限り、かなり復調しているようにも見えますが、瞬間的な経済ダメージは、日本よりもっと大きなものであったと言えそうです。