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2021-11-22
中国語ができなくて現地法人が成り立つのか その2

□弊社が経験した企業コンサル例

以前に弊社がアドバイザーを勤めた、社員数は5名、総経理である日本人駐在者Kさん1名の中国上海の現地法人A社の話です。

日本本社からの依頼の内容は、そろそろ駐在員を交代する時期と考えてはいるが、現任者の任期中には大きな成果を挙げることはできておらず、今後の中国法人に対しての全体的な方向性等、アドバイスが欲しいということでした。

現任者のKさんは業務上の能力が高く、多くの日系顧客からの厚い信頼を得ている様子が、すぐに分かりました。

しかし、駐在生活スタートから既に3年が経過した日本人総経理ですが、驚くほど中国語ができません

現体制で唯一酷いなと感じたのは毎日行われていた朝礼でした。

総経理が日本語でいくつかの行動指針、営業数値の進捗などを共有し、それを中国人の通訳が他の4人に伝えておよそ15分掛けて毎日行われいているのですが、その他にも2名は日本語が多少できる人材で、一方的に総経理が話し終えて終了です。

日本からのルーティーンなのかもしれませんが、日中両言語を使った会議であることは致し方ないとしても、どうしても一方的な習慣の押し付けになりがちです。

余談にはなりますが、こうした日本独特のルーティーンを中国に持ち込んで中国人スタッフから支持を得られるケースは、少なくとも私の感覚で多くはありません

■日本人と中国人の認識の違いも明らかに。。。

案の定、中国人の社員さんへのヒアリングでは、ほとんどがこの朝礼について否定的な意見ばかりでした。

総経理であるKさんもその能力を絶賛していた営業のエースであるWさんは、それ以外にも大きなストレスを抱えていました。

「日本語ができないのは私と財務だけで、二人は専門性があるのに日本語ができない疎外感がある」

「日本語を覚えようと思ったが、毎日の業務も忙しいのでそれどころじゃない。総経理と話したことはあるが、意見はほとんど通らない、評価されているのか分からず、実は転職も考えている」

とのことでした。

日系企業の営業は総経理が日本語のできる社員を連れて2名体制、Wさんともう一人の営業マンが多くの中国企業を担当していて、Wさんの営業数値は確かに突出していました。

私は何もどちらかの肩を持つつもりは全くありませんですし、実際に日本人総経理のKさんはWさんの能力を認めていました。

しかし、2人の間で大きな意識の乖離があることは明らかでした。

言語の問題から2人の距離感を意図せぬ形で遠ざけているという印象はお二人から平等にヒアリングをしても何となく感じられるところでした。

□一見無駄なように思うコミュニケーションも中国人社員からは求められている。。。

更に理解を進めて分かったのが、日本人総経理はほとんど中国の企業に顔を出さないことです。

それはWさんの能力を認めているという意味でもあったのですが、Wさんからすればそれらは評価されていないと感じてしまっていたのです。

確かに中国語のできない総経理がWさんと一緒に中国企業に訪問すれば、通訳が付き添う必要もありますし、営業手法も異なりますので、総経理としては、あまり意味のないことだと感じていたのかもしれません。

またWさんはK総経理の評価が低く待遇が良くない、とも言っていましたが、KさんにはWさんの給与を決定する権限はありませんでした。

それらが二人の意識の乖離を招いていた一端だったように感じました。

それぞれを否定するわけでもなく、今後の方向性としてそれらを中国人従業員さんからもヒアリングしていくことの重要性を、報告として日本本社へお話ししました。

大人の対応をしていた総経理のKさんの行動は決して誤りではなかったのですが、やはり歩み寄りをするための行動が今ひとつ足りていなかったのは私が感じた事実でした。

■当たり前の上司としての行動が言語の問題で障壁となる。

これは経験論でもあり感情論にもなりますが、日本でも中国でも、部下を持つ上で上司に必要な行動があります。

一人前の営業成績を残す社員のWさんであっても、上司から直接評価される言葉が欲しいのです。

評価されたいし、褒められたいのです。

恐らくKさんも日本で同じような状況にあれば、部内を盛り上げたり、部下のモチベーションを上げるために、部下を褒めたり交流ができるはずです。

少数精鋭の規模であることもありますが、それ以上に言語の問題が彼らの意識の乖離を招いていたことが明らかでした。

中国語が堪能である必要はありません。

「すごいね!」「いい結果だね!」「良く頑張ったね!」これらの言葉がWさんに届くだけで結果は少し違ったのではないかと思います。

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