□中国現地法人の企業手続き
弊社株式会社JNGの100%投資となる、中国現地子会社の設立手続きが完了しました。
恥ずかしながら予算もないため自分自身で駆けずり回ることにはなりました。
弊社では中国現地法人化の手続きをコンサルティングしています。
改めて自分自身の手で一から十まで自分自身でやることにしました。
以前のブログでも記事にしましたが、現在中国の各行政区では外資企業を絶賛誘致中です(笑)
彼らの目論見は当然外資系企業を誘致するという数値目標、ひいては納税額の向上です。
コロナ禍や政治的な影響から多くの外資系企業が中国進出を手控える中、各行政区では多くの外資系企業誘致に必死となっており、同じ省区で新規投資企業の獲得争いが勃発している状況ともいえます。
そのため、弊社自身で何から何までやった、というのも若干語弊がありまして、こうした行政機関のフォローがあったことで、その手続きのスピードが明らかに加速していました。
■現地法人設立の具体的な手続きについて
まずは日本での登記簿などの収集が必須となりますが、中国大使館が指定する日本の法務機関で翻訳(認証)をしておく必要があります。
この辺は非常に面倒というか、一体何が正しいのか情報が錯綜しましたが、中国への入国前ギリギリに全ての書類を揃えました。
というのは、登記簿の取得日及び認証日の日付が現地法人設立申請の30日前でないといけないと言われたからです。
今や中国入国には14日の集中隔離期間が設けられており、それらを検討するとかなり日時が切迫してしまうのですが、最終的には何とかギリギリセーフ。
あれこれと(乱雑な)指示があったものの、それぞれを明確に回答していれば例外も認められるのではないかと思うくらい、基本的にかなり友好的な対応であったことも間違いありません。
その後は基本的に行政機関に従うまま。
サインをしたり、アッチに行ったりコッチに行ったり。
一部こちらが「おいおい、そんないい加減で大丈夫か」と思われるような強引さもありつつ、最後には当地の行政部門で設立の認証を行い完了。
登記場所はわざわざ確保しなくとも行政区で用意した仮の事務所で登録できるそうで、当面のところは費用負担もほとんど必要ありません。
まさに至れり尽くせりでした。
□監事と財務責任者
それから、現地法人設立に必要なのが法定代表人の他に、監事と財務担当者の2名。
監事(監査役)も財務も日本語でも意味はだいたい同じですが、上場企業でもなければ法的な責務はほとんどないそうです。
要は信頼できる人であれば誰でもOKといえばそれまでですが、日本人の場合はパスポートの原本が必要になったりと結構面倒かもしれません。
本人が現地に赴く必要こそありませんでしたが、パスポートを預かったりするのも大変なので、私は中国人のパートナーにお願いすることにしました。
ちなみに行政機関で最終的な手続きを終えて、営業許可証が発行されたのはまさかの翌日という劇的なスピードでした。
■銀行の企業口座開設でトラブル発生
そこまではもちろん個人的な時間や多少の費用こそ費やしたものの、難解な業務はほとんどありませんでした。
いよいよ銀行口座の開設、というところで、少し厄介なトラブルがありました。
もともと所持していた個人の銀行口座の名義が【ローマ字表記】だったのに対して、営業許可証はまさかの【漢字表記】。
企業口座とはいえ法定代表人がその身分証明の対象になるらしく、同じ身分証明書(パスポート)の番号で氏名が異なるという矛盾が発生してしまって登録できないというのです。
この辺は関わってくれた行政機関とも話し込んだことがなかったので盲点でした。
実際に私が彼らに提出した資料内では私はローマ字表記で申請をしていましたが、分かりやすいと判断してしまったのか、彼らが申請用に用いたのは漢字表記の氏名。
我々日本人が海外で活動する事において中国での身分を証明するものとしてはパスポートとなります。
パスポートにも自筆のサインが漢字でなされているケースが多いと思いますが、厳密に言えば、これはあくまで自筆サインの証明であり氏名の証明ではありません。
従って中国においてパスポートを使用して身分を証明し、氏名を登録する際に用いるのは漢字ではなくローマ字表記の方です。
実施には曖昧な部分も多いのですが、国内線の飛行機などもローマ字での登録でないと発券されないケースがあります。(なぜか高鉄は漢字でOK)
さすがに舞い戻って営業許可証の名義を変更するわけにはいかないので、個人口座を一旦漢字表記に戻し、再度パスポートを用いて法人口座を作り直しました。
トラブル、というほどのことではないかもしれませんが、厳格なセキュリティを誇る銀行側としても登録氏名の変更はあまり事例がないはずですので、かなりの時間を費やしてしまいました。
それでも行政機関と同じく、こちらの銀行でも法人口座の開設には前向きであることが明らかで、終始丁寧に対応をされていた様子が印象的でした。
新しい企業を誘致することが、様々な機関で前向きな捉え方をされていることがハッキリ分かる事象でもありました。
□現地法人名は大きなポイントだと思うのですが。。。
弊社の現地子会社の名称は【江沐研水处理技术(上海)有限公司】となりました。
弊社の社名であるJNGを利用しようと考えたのですが、アルファベット表記は中国では認められていません。
「じぇいえぬじー」の発音から「杰恩吉」とか、思い切って日本っぽい名前にしてみようかとか、あれこれ考えましたが時間は待ってくれません。
そもそもいくら中国語が堪能であっても、その語感の響きの良し悪しは日本人ではなかなか判断がしにくいところです。
いくつか候補を出して、件の行政機関担当者の方や現地スタッフらに相談したりもしましたが、基本的に無関心といった感じです。
なんだか「そんな企業名くらいササッと決めちゃいなさい!」とでも言わんばかりの対応です。
企業名なんて一番大事なことじゃないか!と自分では思うのですが、そもそもいくつか希望を出さなければならず、第一希望がすんなり通るとも限らないのです。
中には候補にある漢字を組み合わせて、勝手に決められてしまったという知り合いもいます。
唯一彼らのアドバイスの中で具体的なものは、3文字や4文字の漢字の組み合わせにしたほうが通りやすい、ということ。
というのも、企業名で模倣をさせないために、同業他社もしくは大手企業などと名称(読み方)が一致しないようにしているからです。
もちろん商標の問題もありますが、それらは文字って登録させないようにもされているようなのです。
例えばファーウェイの「华为」を意識した名称として「花为」とか「话伟」(いずれもHua Weiと発音)とかの名称は通らないはずです。
中国にあまたある大手企業や同業他社と名称が似通ってはいけないとなれば、3文字や4文字で名称をつけるというのは確かに被りを避けるためには有効でしょう。
もちろんこの江沐研は新たに弊社の中国門出の一歩となり、決まった後に考えれば語感も優れているように感じますし、何だか立派な名前だと誇らしくなっています。
企業名の付け方も一筋縄にはいかないのが、また中国の現地法人設立において、いかにも中国らしい話です。
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