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2021-02-08
中国国内での子会社設立

中国事業好調なY社の税務、事業相談を受けました。

私がいくつかご協力をさせていただいている企業様の中には、納税は社会貢献において大事である、と仰られる経営者さんが少なくありません。

もちろん、納税は日本だけではなく中国でも義務なのですが、私の立場は社会貢献ももちろんですが、企業経営上、支払わなくてもいい税金を納めることが果たして正しいかと言えば、それは間違いではないかとお話しすることが少なくありません。

例えば本当に納税を社会貢献と捉えていらっしゃるのであれば、企業が節税した分は社員の待遇に反映させることができます。

反映された社員の待遇は貯蓄に回されることもあるでしょうが、長期的に見れば家を買ったり車を買ったり、または生活費に使われるでしょう。

それらには消費税を納付する必要がありますし、このコロナ禍においての経済的な刺激ともなりうるでしょう。

そんな話をY社のM社長とお話をしていたのですが、そのY社の中国事業は明らかに納税のしすぎだと見受けられました。

企業の方針として納税が多ければ多いほど良いというのであれば別ですが、中国側のヒアリングをさせていただくと事業規模の拡大に充てたいという意見もチラホラ。

M社長には日本の100%子会社である広州を拠点としつつ、北京かもしくは上海、その近郊などに営業拠点としての子会社を設立してみてはどうかと打診をしました。

本来であれば節税の観点からも法人税(企業所得税)の決算月である、昨年末が絶好のタイミングではあったのですが、こうなれば今年末でいいので検討を促しました。

中国での子会社設立には大きなメリットがあります。

まず一つは、既に展開している広州の子会社からの投資ということにすれば、その子会社は内資企業として設立ができること。

内資企業であれば日本企業の子会社として設立した時のような、外資企業の煩雑な手続きがまず不要ですし、広州で一括の本部機能とすれば規模が大きくなるまでは人件費が必要となることも暫くはないでしょう。

そして何よりもこの投資によって、広州の会社に対しては、投資費用がコストとして計上されるため、様々な面で節税対策にもなり得ます。

気を付けなければいけないのは当然最低限の事務所経費や当地で社会保険の支払いをする人員が必要(1名以上)になりますので、注意が必要です。

節税対策のみの子会社設立では本末転倒ですので、Y社のように社員のやる気と現実的な体制などが整っていれば、という絶対条件付きです。

Y社の場合はこれを年末までにジックリ検討することができる、というのは逆に大きなメリットと言えるかもしれません。