ここ最近、なぜか契約書にまつわるアレコレを聞かれることが多いです。
たまたまなのかもしれませんが、私自身も気を引き締めなければという意味で、ブログを更新させていただきます。
日本人なら誰しもが遭遇してしまうであろう最も多い落とし穴は、契約書が正式に交わされていない状態での取引、もしくはその準備のスタートです。
契約書に納期1ヶ月と書いてあるものの、押印された契約書が送られてきておらず、納期が切迫。
甲乙双方の契約書の押印は済んだものの、手付金(前金)の入金が確認されておらず、同じように納期が切迫。
こういう状況は中国で数多くあります。
日本でも、契約書の締結が完全に済んでいない状態で、申し訳ないけど納期が間に合わないから、発注だけ先にお願いできない?などと言われることもあるかと思います。
性善説の考え方が支配する日本のビジネスではこうしたことも、エビデンスを取らない状態で先に進んでしまうことが少なくありません。
残念ながら中国でこうしたケースに遭遇したら、基本的にはハッキリとNOと言うべきです。
納期が切迫して焦るのは提供側ではありません、購入側、即ち支払いを遂行する側です。
「いいよ、いいよ、先に進めておくね!」
などと格好をつけて、相手の窓口担当者にメンツをもたせてあげたくなる気持ちや、受注を急ぎたくなる気持ちも分かりますが、簡単に意見が翻ってしまう投資家も多い中国では簡単に裏切られてしまいます。
契約は済んでいても規定にある入金がなければ、先にすすめるべきではありません。
これは簡単なようで忘れてはいけない鉄則のようなものです。
以前、とある工場に訪問したときのことですが、工場内を占拠する大きな設備がありました。
数日後に訪問をすると、まだその設備が工場内を占拠していました。
その状況を工場長に尋ねるとこうでした。
「お客さんが一向に支払いをしてくれていないので出荷がストップしている状態なのです」と。
中国ではよくあることではありますが、契約書に規定を定めることで解決ができることでもあります。
例えば、特に日本の製作メーカー側が納期を遵守するのは当然のことですから、前金入金後、契約締結後の納期期限を超えたタイミングで、甲は製品の出荷に関わらず支払い義務を生じることと明記をしておくことです。
もしくは納入期限から甲の理由で出荷ができない場合に乙の保管費用を請求するとかでもいいでしょう。
甲は出荷前に支払いを行うこと、というだけでは、中国のお客さんは自分の都合でどれだけでもそれを保管させることでしょう。
なんだかこんなことを書いていると酷いやつだと言われそうですが、何も悪事を働けと言っているわけではなく、実際に保管費用を請求することがなかったとしても、防護策はきちんと練るべきです。
支払いを遅れさせることが中国企業の財務対策なのであれば、人質である製品を駆け引きのタネに使うことは常套手段です。
なかなか聞き苦しい話ではありますが、やはり郷に入っては郷に従えの精神は契約書にも必ず入れるべきです。
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