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2020-06-25
中国人の処世術とトランプ大統領の暴露本。

日本ではトランプ大統領の暴露本がトップニュースになっています。

私はまだ手に取って読んだことはありませんが、意外な裏事情が分かるというのは野次馬根性にも通ずる感情をくすぐられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

私は今回の色々な報道で半分はトランプ大統領だからやっぱりそうだよな、と思うのと、もう一つは意外な側面が見えたことに驚きました。

日本での報道では日本との交渉についてがメインで、利用されていたのか!というショッキングなイメージで報じられていますが、その点については多くの中国人の行動心理と似たようなところも多いのではないかと感じました。

私も中国での営業経験が10年近くありますが、例えばこういう経験をした方は多いのではないでしょうか。

私の腹の内ではこの金額で受注したい、この方案であれば成功する、そして必ずお客様にも喜んでもらえるという会心の営業をします。

相手方の反応を見ると、値交渉はこれが限界だなと察している様子で、我々が提出した方案について様々な質疑が繰り広げられます。

これは受注に前向きな証拠だ!交渉は成功だ!

と小躍りして準備を進めているのですが、その後先方から一切連絡がきません。

1日、2日、そして1週間が経過しても連絡がこず、あれおかしいなと思ったころにはもう手遅れです。

実際の相手の腹の内はこうです。

値段交渉は難しそうで、素晴らしい方案だけれども、うちの予算に合わない。

それなら方案の内容をもっとヒアリングして利用してやろう。

こうした本音は交渉中の中国人は絶対に相手に漏らしません。

契約が整い、協力関係が確定し、手と手を繋いでも日本人が思うような心を許すようになるまでは相当な時間が必要なのです。

人情論や感情論からどうしても抜け出せない私ですが、そのことに気が付くのに1か月も要してしまうのです。

あちらこちらから情報を収集すると、どうも他社さんで進めている様子が伝えられてようやく分かるのです、やられたな、と。

責任施工がない、性悪説の考え方、そういう根本の考え方に照らし合わせて、よくよく振り返ってみると上手に利用されただけだったと気づくのです。

今は何人かの部下を持つようになり営業に自分で赴くことが少なくなりましたが、受注できそうです!と笑顔で前向きな報告を受けても、鬼のようですが、私はこうアドバイスをします。

良かったね!でも契約書が締結されるまでは、安心できないぞ。

契約書が締結されてからはこうです。

契約書が締結されたからと言って安心するな、前金が入金確認されてから、ようやく第一歩だぞ!

その次は商品到着時の入金、その次は保証金の入金、、と、いつまで経っても落ち着くことができません。

それが中国市場と戦っていく、ということです。

いつまで経っても決して気を抜くことはできません。