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2021-10-18
中国リゾート地での温浴施設。

先日は借地代を基準に中国での店舗出店の可能性について探ってみました。

振り返ってみると(相変わらず)結論が曖昧な記事になってしまったように感じないでもないですが。

結論から言うと、上海市と南京市で比較すると、土地代は上海市が1.5倍程度の大きな負担になるものの、人口密度では上海市が2倍近い差があり、しかも給与水準も上海が若干高い、ということです。

以前上海近郊の崑山市や蘇州市でのプロジェクトがありましたが、今回の比較と似たような傾向でした。

それぞれの市の中心部であれば上海市の郊外とほとんど変わらない借地代、給与水準はほぼ同等ですが、やはり鍵となるのは人口密度です。

例えば出店地の半径1km2圏内では1~2万人という規模で、その他の地域とも大きな差はありませんが、上海市の場合は範囲を広げて半径10km圏内とした場合は、そこに3万人、4万人/km2の人口密度を誇る地域があります。

地図内の上海市区には5万人/km2を誇る人口密度を有しています。

そうした事例は崑山市、蘇州市、南京市でもありません。

市の中心部が最大で2万人程度の人口密度では、上海市の出店で期待できる入客者数の絶対値に違いが出てきてしまいます。

もちろんライバル店は上海の方が多いはずなので、細かな立地条件を探っていく必要はあると思いますが、傾向として上海市にそういう商売繁盛の下地があるのは明らかです。

さて、前置きが長くなりましたが、近年の中国では急速に内需の高まりで、リゾート地の開発も頻繁に行われていました。(過去形にしたのは恒大不動産の問題も無視できないからです)

中国で日帰り温浴施設の運営でキーポイントになるのは、やはり周辺の観光施設によるところが大きいです。

日本の日帰り温泉への旅行の場合、多少の遠方であれば、8割、9割が自動車を利用しての訪問となります。

ところが、中国の場合は旅行で使用する交通機関はほとんど高鉄や観光バス、場所によっては飛行機を使用しています。

自動車での移動が可能であれば10km圏内であればまだ良いですが、中国の場合は観光地から3km、5km離れているだけで集客はかなり困難となります。

そのためホテル併設型や大型レジャー施設(プールや別荘、ショッピングモール等)との併設が多く、単独で温泉施設を運営するケースは極めて稀です。

これとは別に別荘施設、マンションと併設した温浴施設も一時期多く見られました。

しかし、リゾート地自体が有名な温泉地(汤山市や腾冲市等)である場合は温泉目的で観光をしている場合もありますが、それ以外の地域では中国人観光客がわざわざ温泉に行こうと考えるケースがそれほど多くありません

それからリゾート地と言っても、その借地費用は日本と比べても中国は高い水準にあります。

結果としてリゾート地の温泉施設、温浴施設は観光地から徒歩圏内の出店はそもそも難しく、単独で利益をもたらす、大きな施設は特に出店、運営は考えにくいと言えます。

それらの要素が重なって特にリゾート地ではホテル併設で、宿泊の付加価値としての温浴施設出店は目立ちますが、それらもあくまでホテル宿泊や、前述のように別荘の販売目的としているため、大幅な予算を掛けることができません。

また、リゾート地では繁忙期と閑散期が明確に分けられてしまうため、場合によっては温泉施設はあるものの次第に管理が杜撰になってしまうケースも少なくありません。

こうした結果を招いてしまう前に、リゾート地へ出店の温浴施設では、きちんと計画性を順序立てて行うようにしたいものです。

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