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2021-07-05
中国の高齢化社会。

一人っ子政策と呼ばれたものが抜本的に見直されましたが、それに伴って弊社にも問い合わせが増えているのが、中国高齢化社会の現状についてです。

習近平国家主席を始め口々に高齢化についての課題を政府が公に発言し始めたことも手伝って、いよいよ中国の高齢化社会にも何らかの対策が実行されることが予測されますし、そこにビジネスチャンスがあるのではないか、と考えるのも至極当然の流れではあります。

以前にも当ブログでは書かせていただきましたが、中国での高齢化社会かビジネスチャンスとして捉えられていたのは、何も今始まったことではありません。

むしろ、10年近く前からその業界が注目されていました。

また温浴業界で建築関係の業務を請け負っていた私の知人のS社長も「これからは介護業界が発展するんだ」と言い、本業そっちのけで積極的に介護業界に飛び込んでいっています。

このビジネスチャンスを逃すまいと、介護業界の先進国と言われる日本の介護業界について、彼は毎日のように様々な質問をぶつけてきます。

これは余談ですが、彼らのような新規参入者は介護業界のことを「健康産業」と言ったり、「康養、保養産業」と表現します。

なんだか大変聞こえの良い言い方です。

以前のブログにも書いたように、日本では早くから政府が対策をとって、介護度に応じて介護保険が適用されるなど、利用者の金銭的な負担が少なく、かつビジネスとしても成立するように整えてきました。

一方で儒教的な発想が根強く、介護施設に両親を暮らせるという行為に否定的、消極的な意見が多く支配する中国では、そうした価値観が障害にもなっているだけでなく、先述のような社会保障の制度が確立されていないことで、現実的にもかなりの費用が必要となってしまいます。

政府の支援が少ないことは施設側にとっても大きな問題となっていて、単独のビジネスとしては需要もなければ公的手当もない、見返りの少ないビジネスという構図が出来上がってしまい、人件費の削減や設備コストなど圧縮してコストを掛けずに展開する、という悪循環にもなってしまっています。

今までは政府もなかなかテコ入れができなかった介護業界ですが、ここにきてようやく本腰を入れるぞ、と発言し始めています。

これだけ加熱する介護業界への注目度ですが、肝心な政策としては、まだまだ具体的なものが打ち出されていません。

2030年には高齢者が3億人を超え、人口割合も20%を超えると言われる中国で、日本の介護業界はどのような参入ができるのでしょうか。

個人的な見解ですが、まだ具体的な政策も出ていないから参入するのはまだ早いな、というのでは間に合わないと思っています。

一旦動き出してしまえば、そ急激なスピードで展開する中国の市場ですから、介護業界も同様です。

早い段階で動きはじめ、常にその動向を知るということが間違いなく重要です。

冒頭のS社長のような貪欲さが中国のビジネスチャンスを掴むことは、よくあることです。