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2021-04-21
中国の美容院。

中国での美容院経営をされている知人がいます。

彼は日本語を話すことができない中国人ですが、自分が経営する美容院は日本式をうたっています。

長く海外に駐在をしていれば当然散髪も美容院なりに行かなければなりませんので、以前はそれなりにお世話になる機会もあるのですが、なかなか顔を出さない私を心配して連絡をしてくれました。

私が今日本にいることを伝え、そちら景気はどうですか、と尋ねてみました。

コロナの影響で近所に住んでいた駐在員自体が減ってしまったので、日本人のお客さんは相当減ってしまったが、中国人のお客さんが比率的にだいぶ増えているので相変わらずだね、とのこと。

確かに私の周囲でも日本にそのまま帰任されたりするケースが多く、後任がなかなか現地に行けない状況などもあったようですので、往来が簡単ではない今となっては仕方がないことです。

景気は相変わらず、というのはコロナ禍にあって喜ばしいことですが、一つ面白いことがあります。

それは日本式の美容院であっても中国人のお客さんは足を運ぶ、という点です。

日本式だろうが中国式だろうが、美容院は髪を切る場所であることは当然不変です。

では何を持って日本式かと言えば、カットする技師さんであったり、店舗の内装や案内板に日本語が記載されているくらいのもので、やはり本来の目的は同じな訳です。

しかし、例えば日本に中国式と大々的に宣伝するような美容院なるものがあったとして、正直普通の日本人はなかなか足を運ぶことがないような気もしませんか。

それでも中国人の中には、あえて日本式をうたうお店を好むことさえもあります。

これはなんだか少し不思議な気もします。

少し話が変わりますが、飲食店でも似たような傾向はあるようです。

飲食店となると美容院とは多少違って最大の目的は胃袋を満たすことにありますが、日本料理と中華料理では、食材も作り方も違います。

しかし、同じように日本人駐在員が減ってしまっている今となっては、以前は日本人がメインだったが、今は中国人の比率が高まり、彼らが好んで日本食を楽しむケースも多いようです。

そこには仕掛けがあるというよりは、店舗側はただ状況に合わせて対応しているようにも感じます。

一方の中国人客は美味しければ行くし、口コミの評価が高ければ行く、という若干日本人とは違う感性があるようにも感じます。

そういう意味でも日本式であったとしても、日本人だけではなく様々な人にウケるような不変のサービス力や、技術力というのが危機を乗り切る一つの大事なポイントと言えそうです。