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2021-01-19
中国の春節が変わる?

私が中国を拠点にビジネスをしてから10年が経とうとしています。

10年前の上海は良くも悪くも、まだ何となく田舎臭さの残る部分がありました。

その代表例がこれから間もなく訪れる春節です。

当時は上海市外出身の従業員が多く、春節中の現場での緊急対応というのは大きな問題で、私自身そわそわしながら上海市内の会社や自宅で待機していたのを覚えています。

彼らは当然のように春節前後1週間を休んだりするので、会社を管理する立場としては困ったものだったのですが、よく考えると協力会社も顧客も休んでいる人ばかりなので、何か緊急で依頼ごとがあるようなケースも意外と少なかったように感じます。

それでもせっかくの長期休暇にもかかわらず私自身の体は休めずじまいなので、一体なんなんだ、この春節というのは!と妙に憤りの感情を覚えたこともありました。

一方で、特にその当時は春節は国を挙げての最大のイベントで、誕生日とクリスマスとハロウィンとお盆と正月を一気に迎えるほどの熱量なので、これは諦めるほかないと思わされたことの方が多くもありました。

実際に春節中も変わらずに自宅と会社を往復していましたが、個人商店はおろか、ケンタッキーもファミリーマート春節真っただ中は休業状態でしたから、その違和感は何も私の会社だけではなかったわけです。

ところが、中国現地のスタッフは未だに上海市外の出身者が何名か在籍していますが、昨年もそして今年も春節には帰省をしないというケースが半々のようです。

今回はコロナがキッカケではありますが、それ以前にもとある女性社員は帰省をするや否や両親からお見合いに連れていかれたり、彼氏はいないのか、結婚はどうするのだとコンコンと説教をされると嘆いていました。

顔もよく覚えていない親戚を接待したり、飲めないお酒を飲まされたりという習慣を嘆いている社員もいましたし、帰省をするのに何時間もかけて満員の列車に乗ることが嫌だ、田舎に帰っても娯楽がないと聞いたこともあります。

コロナ禍を経て、その考え方は特に若い世代で一気に浸透してくるのではないでしょうか。