NEWS/TOPICS

2020-07-12
中国の不動産業が持ちこたえられない恐怖。

昨年から中国の不動産が落ち着かないようです。

新たなプロジェクトが遅々として進まないことは、以前のブログにも書いた通り、昨年から中国の不動産は下火が続いていることは間違いないのですが、中国の市場を支える不動産デベロッパーが元気がないのは大変な事件です。

10年ほど前から上海の地価は倍近く上昇しましたが、不動産デベロッパーはその時期に大きく飛躍しました。

昨日とある不動産関連の知人と連絡を取っていたのですが、今までは地価が上がる、給与が上がるという流れに時差があったため、その間の不動産は高値で売れるし建設コストも安く済んだ、というのです。

言い方は悪いが何も考えずに儲かっていた時代が過ぎて、これからは中国の不動産業界は戦国のようだと語っていました。

ゆっくりとでも確実に上昇する中国の人件費で建築コストも徐々に上がりを見せ、何らかの策略がなければ不動産が売れなくなると同時のコロナ禍で不動産の価格は全く持って見通しが立たないようで、2020年前半はとにかく見通しが分からない、価値があっても買い手がない状態が続いているようです。

インターネット上で地域ごとの平均的な地価情報は手に入っても、需要が低いためそれ自体に何の意味を持たない数値となっているようです。

ここで注目したいのは、今までは例えば上海市内であれば外環状の内外、中環状線の内、内環状の内側というザックリした概念で値決めされるような不動産が、付加価値がより重視され評価されてくるのではないか、ということ。

例えば、長寧区、浦東新区、といった地区ごとの人気。

例えば、駅近や周辺施設の利便性。

そして、内装などのリノベーションでの生活仕様への適合性などです。

特に中国の不動産の内装は基本的にコンクリート打ちっぱなしの状態で引渡しが行われますが、内装部分で付加価値をつけていくことで、より高値で売るという手法が採用されてもおかしくないと私個人的には思っています。

既に日本のデベロッパーなどはそうした動きがあって、一儲けしたケースも少なくありません。

中国のデベロッパーでもそうした取り組みはありますが、明らかな付加価値であり、自己満足的な付属品も多かったようです。

今までの中国のデベロッパーは言い方は悪いのですが、殿様商売、これからは需要に応じた高い適応性、提案力がなければ淘汰されていくのでは、と私は踏んでいます。

日本式の和室であったり、バスタブのある浴槽であったり、そうしたマイノリティな要望に応えるような付加価値が注目、重視されてもおかしくないように思います。