中国のホテル業界では、既に都市型の低価格帯のブランドホテルがほとんどの市場を席巻しています。
低価格帯の漢庭ホテル、錦江ホテル、中価格帯の全季ホテル、維也納ホテル等がその代表格ですが、ここ数年で麗楓ホテル、亜朵ホテル等の新興勢力も都市部で参入しており、ビジネスホテル、レジャーホテル業界も熾烈な争いを繰り広げています。
フランチャイズ形式の出店は多忙なオーナーからしても、新規参入でもノウハウ提供があるので頭を悩ませることが少なく、販促活動にも手間がないため、投資の側面では魅力的に映るのかもしれません。
実際私の知り合いの中国老板には一泊200~300元という価格帯のホテル事業をされている方が大変多いです。
その評判は決して大きな売上に繋がることこそないものの、安定的に収入が得られるというメリットはよく聞くとろこです。
ビジネスで企画の段階で、お付き合いさせていただくことが増えたのが、特にここ5年で流行している形式の親子ホテル(亲子酒店)と呼ばれるもの。
実は個人的にも何度か利用させていただいたことがあるのですが、大々的なビュッフェ形式でゆったりと時間を過ごすことができたり、農村部に近い地方で馬や羊といった動物と触れ合いができる、大きなプールを併設している、天然温泉をふんだんに利用する等々、家族向けのホテルです。
敷地面積も大きいケースが多いですが、地方都市より更に田舎の立地であったりするため、家賃が安いということが投資の最大のメリットとなるのでしょう。
更に、こうした親子ホテルの投資の最大の魅力は、客単価、です。
中国は国土広しといえど、上海などの大都市からでも車で1時間、2時間もすれば自然豊かな山々など、非日常空間の田舎に辿り着くことができます。
もちろんただの田舎では経営が成り立ちにくいので、そこには冒頭のような低価格、中価格のホテルなども林立しているような観光地にほど近い場所でなければなりません。
その客単価ですが、こうした親子ホテルの場合、一泊1,000元、2,000元は当たり前なのです。
しかも大型連休だけではなく、ウィークデイも満室、なんてことが少なくありません。
親子だけではなくカップルでも楽しめるこうした田舎の親子ホテル、少し経済的に余裕がある都市部の人々にはまだまだ需要がありそうです。