中国に進出する日系企業で、特に重要なことはパートナー企業、協力会社と上手に付き合うことではないでしょうか。
私も10年ほどの中国経験ではありますが、言い方によっては騙されたり、裏切られたりを経験しました。
弱肉強食の中でこうした現象が起きるのは致し方ないことと割り切ることも必要で、自画自賛になってしまうかもしれませんが、それぞれを契機に企業が成長するキッカケとなるのも、またこうしたタイミングでもあります。
例えば仕入先A社が販売量で自社との付き合いを深めていた矢先に、ライバル会社B社にも同製品を販売する。
こうしたことは恐らく中国で数年も従事していれば当たり前のように起きうることで、私も幾度となく経験をしました。
A社と上手に付き合っておいて、こうした現象が起きないことが最も平和的な解決なのですが、なかなかそうも上手くはいきません。
私はこうしたタイミング、もしくはA社と取引を始める前に、で必ずA社と同等の製品を他社から仕入れられないかをリスクマネジメントします。
もちろんA社と喧嘩しても何も得はありませんので、水面下で徐々に進めていき、いざ必要になった際には新しいC社とA社を見比べるという流れです。
結果的にC社なのかD社なのかの製品を見つけてみると、A社より金額的メリットや製品の品質で自社に良い効果をもたらすことも多いというのが私の経験上での実際です。
常にこうしたリスクマネジメントを絶えず講じ続けるというのは、中国だけではなく日本でもどこでも同じではありますが、特に中国でこうした事象が多いことも否めません。
ですが、5年、10年とやっていて振り返ると、取引が始まってずっと傍にいてくれるパートナーがいることにも気が付きます。
盲目的に信用しすぎることは良いことばかりではありませんが、真のパートナーを見つけていくことも、リスクマネジメントの観点からすれば絶対的に必要でしょう。
こうしたパートナーを企業であれ個人であれ味方につけることで必要なのはただ一つ、やはり時間でしかないと私は思っています。
多くの取引業者は、何の関係性もない状態であれば2年3年もすれば、言い方は悪いですが化けの皮が剥がれてきます。
その中で一つずつ精査していくほかないのです。
また、そうした信頼できるパートナーの数は企業として、紛れもない財産です。
成功する企業の多くはそうしたパートナーという最大の武器を多く持つ企業です。
これは企業の大小に関係なく一律そのように思います。
逆に言えば、また多くの企業から我々が大切なパートナーとなれるように努力をしていかなければならないなあと思わされるのです。