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2021-11-12
中国のサブコン、ゼネコン。

□中国のサブコン、ゼネコンの実態

中国の所謂サブコン、ゼネコンという企業は日本と同じように規模が大きいのが特徴です。

ただし、実態は日本よりもいい加減であるケースが少なくありません。

というのも、私が携わる今までのプロジェクトは都市開発の規模ではなく、中国にとってはごくごく小さな数万平方メートル規模の開発で、その規模では中国の大手ゼネコンは、基本的にはほとんど参入しません。

彼らが参入するのは自社の広告宣伝になるようなプロジェクト(公的機関の飛行場や地下鉄など)、もしくは数十万平方【キロ】メートルのものです。

例えば大手ゼネコンが誤って規模の小さい数万平米の仕事を受注しようものなら大変です。

なぜなら彼らはその業務を軽視し、そのほとんどをアウトソージングさせてしまうから(日本では考えられないくらいのほぼ全て)です。

営業は当然大手ゼネコンが風呂敷を広げて展開するので、施主としてもこんな大きな企業に任せておけば安心だ、となるわけです。

蓋を開けてみれば、わけも分からず連れてこられたアウトソージングされた企業が、ほとんどの予算を大手ゼネコンに搾取された低予算での施工を実施、結果として施工者も施主側も得しないような結果に終わることも少なくないようです。

■中国温浴施設のサブコンの実態

中国にも温浴施設の設備業務を主要事業にするサブコン企業が存在します。

しかし、彼らのほとんどは中国の中では、企業としての歴史はあっても、温浴施設のプロではありません。

それらも先述のように現場仕事は日雇い労働者を使うことがほとんどで、自社社員を雇用する余裕がない、という実態もあります。

また、ひどい例はほとんど設備図面に従わないことです。

特に温浴施設の設備は、法的な規制がほとんど存在しません。

そのため、接続が完成して機械が動けば、基本的には法的な責任は問われることがありません。

もちろん契約義務違反として施主はサブコンの施工について違反を訴えることはできるのですが、いかんせん専門的な部分なのでケチの付けようがありません。

素晴らしい計画で素晴らしい設計図書があっても、施工がズブズブでは話になりません。

もちろん本来は法的基準を設けたり、設計計画の時点で明確な指針を定めることが重要なのですが、これらも専門的な知識がなければ判断基準が難しいという側面もあります。

□廃れた中国の監理システム

中国では過去に「監理」と呼ばれる第三機関で施工を管理するシステムがありました。(今でも一部ではあります)

施主が専門的な施工の是非を判断できないためのシステムで、非常に合理的ではあるのですが、とはいえ、この「監理」部門も常規的な建築や内装はともかく温浴設備にはさすがに監理しきれません。

また、この「監理」部門が施工会社と癒着をしたり、という例が跡を絶たず、わざわざこうした部門を設置することが少なくなりました。

ほとんど企業倫理の話なので、これもどうしようもないのですが、自分以外の誰も信用できないというのは中国ではよくあることです。

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