弊社は中国市場での売掛金回収の代行業務を行っていますが、それでも百戦錬磨という訳にはなかなかいきません。
リスク(受注)を犯せば、どうしてもリターン(回収)でいくつかのトラブルを抱えるのは中国市場で業務を展開していく上では、どうしても覚悟が必要になるります。
それは恐らくどんな業務に対しても、どんな大規模な会社であろうと、そのような商取引になる確率は一定であると言っても過言ではないほどです。
しかし、なぜこの売掛金回収が滞納、不良債権処理問題が浮上してしまうのでしょうか。
先日のブログにも記したように、金利の高さがある一定の要因であることは間違いないと思います。
アジア屈指の経済大国とは言え、経済規模でいえばまだまだ発展途上にあると言っても過言ではない中国、与信業務が浸透していないこともあり、他社を知ることも容易ではありません。
起業家が銀行からの融資を受ける際、もちろん財務チェックを行いますが、その正誤性は中小規模の企業では測ることが極めて難しく、相当慎重な作業とはなるものの、出てくる資料のほとんどが嘘で塗り固められていてはなかなか真実が見えてきません。
以前、某国営企業の銀行支店長に聞いたのですが、未だに事業主との関係性、(机上の空論じみた)儲け話に耳を傾け、我々からすれば融資というより、投資に近い間隔で融資を行うことも少なくないようなのです。
もちろん担保を取ることも多くあるものの、結局のところ実情が見えにくい融資管理のようで、それこそ半沢直樹の世界観です。(もちろんこれは一部の話)
少し話が逸れてしまいましたが事業主はそうした話を銀行に持ち掛ける際に、2年、3年で投資回収をする、とぶち上げます。
経済発展著しい中国で不可能ではないとも言えないのですが、何千万、何億が2年で回収できるような夢のような話はごくごく一部にすぎません。
それでも銀行は高金利で貸し続けます。
開業して半年と持たずにまずいぞ、となり、それ以前を含めた支払いの遅延が目立ち、ズルズルと期日を延ばします。
その原因が高金利であることは想像に難くないとお分かりになると思います。
例えば日本の温浴施設の投資回収は7、8年、なぜなら3年、5年と経てば施設の老朽化に伴ってメンテナンスの費用が増加するからです。
それを3年で回収するなど夢のまた夢ですが、建築コストが安い分、短期回収だけを目論めば決して不可能ではありませんが、やはりここでも高金利がネックになります。
結局支払いを遅らせれば遅らせるほど、金利の負担を後回しにできるという、極めてギリギリの自転車操業が完成するのです。
払えないから払わない、のではなく、払いたくない(払ったら損)から払わないのです。
もちろん、資金管理をきちんとし支払いを期日通りに行うコンプライアンス意識の高い中国企業も多く存在しますが、弊社の与信管理はそうした性善説ではなく、性悪説の立場を理解した上での調査をいたします。