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2021-06-18
中国で李子染が共感される理由。

インターネット、SNS、私はどちらもあまり得意と思いませんが、現代生活、いや、ビジネスでもこれらを活用できなくては致命的です。

中国では急速な経済発展で突如としてスマホが普及し、恐ろしい勢いでSNS利用者を増やしました。

バイクをすっ飛ばして、自転車から自動車へ。

ポケベル、PHS、ガラケーをすっ飛ばして、固定電話からスマートフォンへ。

これらは中国の急激な経済発展を表す時代の流れではないでしょうか。

私も全くSNSや動画サイトを利用しない訳ではありませんが、むしろニュースサイトを閲覧したりビジネス情報を見たりはあっても、SNSや動画サイトの視聴に割く時間がないように思うのですが、私の周囲の中国人の知人では動画サイトでドラマを見たり、今回取り上げた李子染さんであったりの動画を見ることがとても多いように感じます。

私はキムチ論争以前にこの李子染さんは知らなかったのですが、聞けばどうやら大変な人気なようです。

中国の代表的なSNSである微博(InstagramやFacebookに近い)やビリビリ動画(YouTubeに近い)ですとかで動画をアップしています。

YouTubeでも多くの視聴者を獲得し、中国語を主としたチャンネル視聴者最多のギネス記録も保持しているんだとか。

幼いころに両親が離婚してしまい、その後父が急逝、義母との折り合いが付かないことに心を痛めた祖父母が彼女を育てますが、祖父も彼女が幼いころに亡くなります。

と田舎で自給自足の暮らしをしていることで、故郷や親族を大事にするという儒教的な生き方を体現していることに、共感を得るところが最も大きいのかもしれません。

祖父も亡くしており、14歳で都市へ出てアルバイトをしますが、その後育ててくれた祖母も病に伏したため故郷に戻るのですが、故郷や親族を大事にする儒教的な生き方、地方都市の社会的問題の背景、こうした苦労のストーリーも共感を得るのでしょうが、2017年には動画8000万回の再生がされ、まさにチャイニーズドリームの体現者でもあります。

また、食に関する動画をアップすることがメインのようですが、この内容も中国人が好きそうなものです。

中国では孤独のグルメという日本のドラマが大人気です。

私は中国でこれを知って中国でこれを見ましたが、日本のサラリーマンの日常を描いてあり、美食に関する興味深くもクスっと笑えてしまうようなドラマではありますが、日本では決してメジャーなドラマではありません。

正直日本より中国の方が人気があるのでは?と思うほどです。

松重豊さん演じるサラリーマンが、日本の食堂でメシをかっ食らうというのは、確かに見ていて気持ちのいいものではありますが、ここまで人気があるというのは、いささか不思議に思うほどです。

中国人の食に対する興味はたいそうなものです。

日本人や日本という国での普通の食事が異様なほど視聴され、それは対象が日本でなくとも、李子染さんの動画のように広い中国の田舎でのそれさえも大きな興味の対象になっているのかもしれません。