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2020-10-07
中国でのFAX(传真)。

日本ではセキュリティやペーパーレスの観点からハンコやファックス是非が取り沙汰されていますが、中国ではどうなのか。

ご存じの方も多いと思いますが、中国では既にFAXは死語に近い扱いです。

とある大手電子メーカーの総経理にお話を聞いたことがあって、納得しました。

今から20年前は大量の自転車が通勤のために道路を占拠していた中国ですが、突如として10~15年ほど前に家庭用の自動車が多く流通しました。

世界中のほとんどの国が自転車から自動車へ家庭用の交通手段を経済の成長と共に切り替えていくのですが、中国が他のどの国とも違ったのは、日本でいう原付バイクを全く経過しなかったことです。

タイやベトナムの経済成長が著しいと言われますが、彼らの今も、自転車の時代からバイクの時代を経由して自動車になろうか、というところです。

何が言いたいかというと、このFAXについても時代の変化が早すぎて、急激に成長をしたときには既にスマートフォンが流通してしまったということです。

慣れ親しんだものを捨てるのは難しく、今でも日本での取引では見積もりや発注書をFAXする時代が続いています。

しかし実際にこれがペーパーレスやセキュリティ強化への期待だけではなく、人々の動きの効率化こそ重要ではないかと私は思っています。

中国で仕事をしていて気持ちがいいのは、やはり日本にはないテンポです。

会社に届くFAXでは営業マンにとっては確実な時間ロスに違いありません。

中国ではSNSやEメールで詳細が送られてきて、タイムリーに処理を行うことが可能ですが、FAXという存在が若干動きを鈍くしていることも事実で、大げさかもしれませんが、これによって日本の経済が後れを取るという可能性も十分に考えられるのです。

もちろん大事な契約書、見積書が指一本で転送されていくこともありますが、正式な文書はEmailを利用したり、郵送したりも必要ですが、効率化の面では日本は加速する必要を感じます。