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2021-10-04
中国での景気状況。~2021年国慶節~

世界中でまだコロナウィルスの感染状況がニュースで毎日のように報道されていますが、中国での状況はどうでしょうか。

さすがに中国当局も武漢の一件で大変懲りていますから、その情報は比較的に透明性を持ったものだと捉えています。

実際にあちこち、最近では福建省や黒龍江省での感染が確認されていますが、私の住む上海、華東地区は基本的に穏やかな生活が送れている状況です。

大型、中型のショッピングモールでは入り口で体温を測定したり、健康コードの提示やマスク着用が義務付けられていたりしますが、中国っぽさ全開で適当感も否めません。

これからも感染状況の早期把握、隔離の徹底などを行うことで中国ではかなり感染状況が落ち着いた状況を維持するはずです。

国慶節で休みとなっていまして、私自身もあくまで対外的な交渉が連休でストップしていますが、せっかく中国本土にいることなので様々な情報を敏感に感じながら生活しています。

株式投資に詳しいM社長との交流話

恒大不動産のニュースが日本でも報じられていて、私もこのブログ内でも取り上げましたが、そうした報道がデマではないかと感じるほど実際の中国での生活には大きな影響もなく、不動産価格が暴落するような話は聞きません。

中国でも大きなニュースとして取り上げられてはいますが、これに関しては中国当局の抑え込みもありそうで正確な情報はもちろん、何となく楽観視するような報道が多いです。

国慶節中でも不動産店舗は絶賛運営中ですし、少し立ち話で聞きましたが、特に目立った情報はありません(もちろん不動産がヤバいと不動産屋さんが話す訳ありませんが)。

日本のニュースでは恒大不動産の混乱で1日1社の不動産関連会社が倒産に追い込まれている、といった報道がありますが、広い中国で1社2社倒産したところで大きなニュースになりえません。

それに実際に一般の中国人からしても、中国での不動産業界が以前より下火であることは何も今に始まったことではない、という認識の方が強いかもしれません。

楽観視することはできませんが、不動産業界が遅かれ早かれ危機に瀕する可能性は以前から考えられていたことでもあります。

世界の一般論として、不動産、そして株式のバブル崩壊が中国のバブル崩壊に繋がる、という見方はあるでしょう。

しかし、中国は何も不動産や株式投資だけに根太いバブル要素があるわけではなく、既にそれ以外、特に世界的にもIT系産業の確立ができていますし、内需の基盤もかなり強い

当然影響はあるでしょうし、楽観視することではありませんが、バブルが崩壊してどうのこうのとなりにくい経済的な強みがあるとは思います。

むしろ不動産景気が落ち着いてしまうとそれに伴った開発がストップ、停滞し、外資を含めたぶら下がり企業(私ですね笑)には大きな影響が出る可能性は否定できません。

しかし、そうそう簡単にバブル崩壊だと騒ぐほど中国はヤワではないと、個人的には考えていますし、世界のバブル崩壊の状況と中国のそれが一律で語られるのには疑問を感じます。

では、それ以外の業界での景気はどうなのか。

観光業が打撃を受けているのかと思っても、この国慶節中には観光地は人手で賑わっているという情報ばかりでアテになりません。

恐らく様々な影響は出たのでしょうが、むしろコロナ関連でインバウンドの取り込みが減ってしまったタイや日本、韓国などの周辺観光地が心配です。

既に中国国内観光は8割方、内需によって回復しているという見方があるようで、中国でもニュースとして取り上げられていました。

貿易関連業界はダメだと、半年ほど前に某中国国内の大手銀行のL支店長から聞きました。

ただそれも貿易関連企業のその職種によりそうです。

知人の大手税理士事務所の方に聞いたところ、例えば海外から製品を輸入し販売するようなケースでは地域によって工場の生産がストップしてしまった影響で製品そのものがないので輸入業務が停滞するようなケースがありそうです。

中国国内の生産は比較的堅調に推移しているので、輸出は横ばいと中国の貿易機関も発表しています

むしろ前述の税理士さんは、以前から様々な会計システムが構築されて税理士事務所に仕事が回ってこない、もしくは単価が下がっていると危機感を抱いていました。

弱肉強食の経済システムが一部の企業の首を締めている状況は相当数存在していそうで、彼らはそうしたシステム系の企業と税務システムの開発を進めていて、最近では税理士と言うよりはシステムの販売業みたいになっているよ、と嘆いていました。

国慶節中の浦東の外国人街、喧騒こそありませんが落ち着いた雰囲気があり、人々で賑わっています

日本では散々な影響を受けてしまっている飲食店やサービス業はどうでしょう。

これもその細かい業種やそもそもの経営状況によるでしょうが、国慶節は人気の飲食店はどこも満員です。

ややミクロな話になりますが、やはり明らかに日本人を含む外国人の駐在者が減っています。

ですから、例えば8割、9割が日本人客であった古北や虹橋エリアの日本人客メインの飲食店は中国人の取り込みが進んでいる印象があります。

これらは今後中国に進出を計画する飲食店の関係の方は覚えておいて損はないと思いますが、中国で成功する飲食店、サービス業は必ず中国現地の客層を取り入れなければ成功は難しいと言えます。

無理して家賃の高い日本人客が多い地域に出店をするのではなく、郊外の地場の安い地域で中国人客を取り入れる形態にした方が収益を維持するのが明らかにラクです。

これは何もコロナに限った対策ではなく、実際に売上を見込むとこうなります。

中国人の客単価はそれだけ上昇傾向が明らかなだけでなく、当たり前ですが絶対数が多いのですから。

と、まあ少し話が逸脱しましたが、この飲食業界を見てみると、特に大型店舗型の飲食店は、それでも流石に好景気とまではいかないような気もします。

それは以前よりも団体で食事をする、家族で外食をする機会が減ったからではないかと思うからです。

要はデリバリーサービスの隆盛、外地からの観光客の減少、少子高齢化や人口減少で弱肉強食の中で生き残りに工夫がない企業が食われてしまうからです。

どの業界にも通ずるようですが、やはり新しい取り組みを絶えず続けること、SNSや販促のシステム導入や画期的な取り組みや試行錯誤がなければ淘汰されるのは至極当然の流れとは言えるでしょう。

そういう意味ではただただコンクリートを打ち付けた製品で数億元の売上を上げ、画期的な工夫もない不動産業界が徐々に魅力のない投資になってしまうことも、何となく自然な流れと理解できる部分ではないでしょうか。

中国への企業進出、飲食店の出店、営業代行や輸出代行、どんなことでも。

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