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2020-09-30
中国での日本車産業が好調。

世間話の一つで、中国現地の銀行さんや知人の間でもどの業界が中国で勢いがあるのかと話題になることは多いです。

日本でもそうした話題がない訳ではないものの、中国ほどではありません。

それはやっぱりまだ底を見せていない中国経済という事情があるかと思いますが、それでもコロコロと儲かる業界が変わるのもまた中国市場の現状です。

昨年、一昨年から中国では若干の頭打ち状態が露呈していますが、堅実な業界は明らかに自動車産業で、特にトヨタ系はやはり堅調です。

日本車の印象を中国人に尋ねると最も多い回答は、燃費や寿命に代表される経済性であることは間違いありません。

コストメリットを計算するのがとても得意とは言えない中国人なので、こうした目に見えにくいメリットが響くようには思えませんでした。

しかし、ここにきて経済の頭打ち、収入の増加にも歯止めがかかることで、そうした状況でこそ、より根強い支持が証明されているようです。

私はご縁があって東北地方への出張を多く経験していましたが、長春での拠点は東北地方の日系企業のなかでは異色の存在です。

というのも自動車産業は中国現地の企業と合弁会社を設立せねばなりませんので、一汽集团という自動車メーカーとの合弁なので、厳密にはトヨタ自動車そのものではないのですが、長春でお会いする中国人の方には特に自動車産業についての話題になることは圧倒的に多いです。

そして、長春はお世辞にも大都市と言えない地域ではありますが、そうした一線級都市ではない場所で日本が誇る大企業があれば、注目がより一層集まるのも当然です。

こうして地元の強い支持も受けていることがトヨタ好調の大きな理由かと思います。

しかし、中国への日系企業の進出ではトヨタだけではなく、あえてこうした地方都市を市場のターゲットとして狙う手も十分考えられます。

私も地方都市への企業設立の経験がありますが、地方に行けば行くほど税収を見込んで政府から優遇される傾向にあり、手段は結構いい加減ではありますが、比較的ではありますが、上海のように事務的すぎることはありません。

地域にもよりますが、この長春など東北地方は困っているところを見られれば、一生懸命に助けてくれる人も多い印象です。

もちろんいざ進出となれば利便性はネックですが、それでも日本よりも飛行機は充実していますし、ライバルが少なく、基盤をつくりやすいという意味でも、充分に検討の余地があるのではないかと、私は考えています。