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2021-08-03
中国での営業代行。

9月までしばらく営業っぽい記事を更新していこうと思います。

9月から12月頃まで中国に滞在する予定です。

相応の労力と貴重な機会になりますので、企業業務のご相談をいただけることを願っております。

さて、弊社の得意業務の一つは中国での営業代行業務です。

私は10年近く中国で生活した業務経験をしましたが、駐在員時代、独立後も日本企業独特の報連相、本社との連携といった、言い方は悪いですがシガラミの少ない環境でやらせていただいていました。

そのため、中国現地のローカル企業に対してもどんどん飛び込んでいくスタイルで営業活動を先鋒隊として実施してきた経験があります。

偉そうな意見になりますが、多くの日系企業が中国での営業展開するにあたって苦心しているのが、やはり文化や言語の違いからくる商流や営業手法の相違です。

業界や業種にもよるかもしれませんが、私個人的な経験を踏まえて言うと中国では、清潔に、丁寧に、慎重に一歩ずつ営業を進めても、あまりうまく行きません。

例えば以前、こんなことがありました。

少し特殊な設備部品を日本で買付し、中国へ輸出して欲しいという依頼でした。

日本のメーカーに問い合わせると、仕様を確認するので、納期と見積もりを出すまでに1週間時間をください、と言われました。

その上で代理店を紹介したいということで、来週以降でアポイントを取りたいということでした。

そうこうしていると、問い合わせをしてから見積もりを取得するまでに、2週間が経過してしまいます。

日本の見積もりは正確で、その中にある納期や諸税、支払い条件についても明確に記載されています。

正式な図面が製図され、修正され、見積もりのダブルチェックはもちろん、初めての取引ともなれば与信取り、見積もり価格を上司に説明し、金額の大小によっては社内稟議をするなどの流れが必要になるかもしれません。

ですから2週間は単純な見積もりを出す作業、ではなく、受注までの準備を含めた重要な時間となります。

正しいとか間違っているということではありません。

正確性は素晴らしいことですが、中国ではそうした流れが受け入れられるかと言えば、明らかにNOです。

今回のこのケースでは中国人オーナーから依頼をもらった翌日には、途中経過として見積もりまでに少なくとも2週間は時間をくださいと伝えました。

「あなたから連絡をもらったから、もう見積もりが出来上がったのかと思ったよ」

と言われてしまいました。

複雑な仕様なので確認や納期なども影響があるので、と伝えますが

「大体の価格と納期でいいから今週中に回答がほしい」

の一点張りで、埒が明きません。

なんて強引な人なんだ、厄介だなあ、と感じることでしょう。

中国人オーナーに当たり前のこと(日本の常識)を伝えても、依頼主自身が思う通りにならないと絶対に納得しません。

日本ではお客様は神様です、と言われますが、中国の場合お客様自身が神様だと思っているようなフシがあります。

しかし、これは何も特殊な話ではありません。

依頼に対して2週間の時間が必要です、と回答しただけで次のチャンスは巡ってこない事が多いでしょう。

中国人との交渉事でのコツ、細かい話はまた別項で記事にしたいと思いますが、知り得た情報で回答を小出しにしたり、大雑把な価格に保険を掛けて先方に伝えることも時に必要になるのです。

こちらも専門外の特殊な部品であったこともあり、流石に大雑把な回答はできないため、何とか2週間の期日を短縮しつつも、先方に回答をしましたが、

「もう韓国メーカーの製品を頼んじゃったよ、また連絡しますね」

こう言われてしまい、結局受注に至ることはありませんでした。

しかし、一つのコツで、大きく変わってくるのもまた中国での営業です。

中国人の営業マンであれば、受注の可能性が少しでもあると判断すれば、メーカーから正確な回答が出ないうちに、口頭で勝手に伝えてしまいます。

正式な受注を受ける前であればどれだけでも修正が可能だと考えているからです。

日系企業ではコンプライアンス的にもそれが認められるかは微妙なところですが、結果を残すのが最善と判断される中国の営業であれば、それが正解でもあるわけです。

難しいところではありますが、実際に受注が取れなければ企業が生きていけないのも事実で、それにジレンマを感じてしまうよりは、ケース・バイ・ケースで対応することが重要です。

弊社の営業代行業務では、依頼主企業様の協力なしには対応できません

専門性はもちろん、その中国オーナーに対抗するだけのレスポンス速度を維持するためにはバックアップがなければならないからです。

一方で営業手法についてはある程度、弊社にお任せいただかなければなりません。

最近では中国(海外)の営業活動について全てアウトソージングするケースが少なくありません。

特に、実務自体を日本で行うことができるような設計会社、サービス業やコンサル業の業務では成果物自体は自社で制御しやすいため、アウトソージングしやすいと言えます。

みなさんが聞いたことがあるような大手企業でも営業活動は外注し、業務自体を日本で行うというケースはとても増えています。

とはいえ、ぱっと現れた営業代行会社に依頼する訳にもいきません。

お互いの信頼関係があった上で成立するものだということは、弊社としても十分に理解しています。

是非御社の重要な業務のお手伝いをさせてください。

この機会に、ご相談からでもお問い合わせいただければ幸いです。