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2020-12-04
上海市でも再びコロナが警戒され始めました。

上海の特に浦東新区でここ数週間でいくつかのコロナ陽性患者の報告が出てきています。

11月中旬に周浦鎮の明天华城というマンション小区にて感染者が確認されましたが、14日が経過し更なる新規感染者が確認されなかったことで、中レベルから低レベルの注意喚起エリアと引き下げられました。

ほぼ同時期の祝桥镇の新生小区でも空港職員による感染が確認され、行動追跡を行って各場所の消毒や関係者へのPCR検査を実施しています。

どちらもディズニーランドから車で30分圏内の場所ですから、先回のとおりディズニーランド近郊で警戒されるのも当然のことかもしれません。

年齢や苗字、居住場所と、かなり特定できるレベルで感染者の情報が公開されていて、ここまでする必要があるのかと疑問に思わされることも事実です。

しかし、個人情報としてのマンションが特定されることは正直気持ちの良いものではありませんが、緊急事態の状況でタイムリーに情報が流されるのは悪いことばかりでもないように、個人的には思います。

実際に私の周りの中国人のほとんど、いや、全ての人からこうした情報公開に対して否定的な意見を聞くことはありません。

もちろん特定される情報が載ってしまったご本人が、どう感じるかは別です。

ちなみに中レベル地区に指定された場所の居住者またはその関係者は基本的には上海から出ることができず、どうしても必要な場合でも7日前に陰性証明が出されていることが条件となります。

それにしても、中国人の警戒感は鋭いものです。

私も浦東新区に住んでいますが、それだけで若干の警戒心を相手に持たれます。

そして、私の知人の武漢人も重い口を開いて言っていました。

コロナで感染が広がった、あの2月から3月頃まで、自分が武漢人であることを生まれて初めて口に出すことが憚られた。

自分とその家族はずっと上海にいて故郷にも帰っていないのに、周りが私たちが武漢人だと分かったら、何か危害を加えられるかもしれない、子供も虐められるかもしれない、実際にそういうニュースもあった。

恐怖心でいっぱいだった。

とのことでした、改めてコロナに対する恐怖心を考えさせられました。

感染が広まった武漢人、武漢市そのものを批判することはできません。

もちろんそれは当たり前ですが、それを批判する気持ちに苛まれてしまった感情も理解できない訳ではないほど、あの時の緊張感は想像を絶する状況だったのです。

そのことを思うと自分の行動に制限が掛けられるのはやむを得ないことだとも思いますし、今を持ってなお、コロナの感染状況が報道されていて一喜一憂してしまうメディアリテラリシーの欠如も少なからず感じてしまう状況です。

日本と中国のコロナへの警戒感は少し違うと感じますが、規制体制そのものよりも、爆発的に広がり、身近に迫りくる危機感への経験が、その情報への緊張感をより高めていることは、両国のコロナへの警戒感の違いに結びついているようにも感じます。