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2020-11-28
上海ナンバープレート制限・EVへの足掛かりを強引に築く 其の弐。

前回はナンバープレートを使っての通航制限の話をさせていただきましたが、そんなもので制限ができるのか?と思われることもあると思います。

中国では無数の交通違反に対するカメラが設置されており、その制限ができてしまうのです。

実際に上海の環状線の高架道路では外地ナンバーが通過するとほどなくして、かなり大きな看板でそのナンバープレートを表示し、違反者であることを掲示しています。

さて、それほどまでに格差のあるナンバープレートでの制限を打破したのは電気自動車、EV車の存在です。

中国ではここ5年ほどで一気に電気自動車が走り出しました。

中国メーカーである荣威、比亚迪のBYD、吉利などの国産車に対し、これらのメーカーEV車の購入時には上海ナンバーのプレートを無料で提供するという施策を打ち出したのです。

残念ながらトヨタを始めとする外資系自動車メーカーにはその特典がなく、あからさまな差別ではありますが、それらを実施したことで目覚ましく電気自動車の占有率が上昇し、環境問題への解決に一歩踏み出しました。

上海ナンバーが欲しければ国産車を買え、という強引な施策ですが、この発想は確かに効果的で、上海ナンバーを欲する需要がいかに大きいかを物語っています。

もちろん車両価格は安くありません。

それでも煩雑な手間もなく、すぐにでも手元に届く上海ナンバー欲しさに国産のEVは好調な販売展開することに成功しました。

そんな施策が数年前から打ち出されていた訳ですが、今回更に上海ナンバー以外への制限が厳しくなるそうです。

来年5月より、上海ナンバー以外は高架道路を含めた一般道も通行不可になると言うのです。

そうなればもうほとんど利用する価値がなくなってしまい、上海ナンバーを持たない人々は、国産のEV車を購入せざるを得ない状況となりそうです。

実際に既にそれらの自動車が外環状を利用するのですが、朝のラッシュ時などは大型トラックと外地ナンバーでごった返して、とても日々出勤できるような状況ではなくなっています。

これらの施策は内容に違いこそあれ、杭州などの中堅都市でも徐々に展開されており、EV車の取り扱いのない自動車メーカーしかり、外資系の自動車メーカーに与える影響は少なくないでしょう。