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2020-11-27
上海ナンバープレート制限・EVへの足掛かりを強引に築く 其の壱。

今回の訪中後に再開した知人らと盛り上がる話題は枚挙に暇がありませんが、こと日系企業のビジネスにおいて自動車関連産業は切っても切り離せないものです。

個人的にも随分と放置し続けてしまったマイカーを手放すことにしました。

マイカーを手放した理由の一つは会社の保有リース車があれば十分ということもありますし、もう一つはナンバープレートの問題でした。

中国の、特に大都市における、このナンバープレートは大変不可思議なもので、その種類についてご説明しようと思います。

ナンバープレートには北京であれば京、浙江省であれば浙、江蘇省であれば苏などとそれぞれの地域を示しており、基本的には持ち主の戸籍などに準じて自動車の取得時に手続きが行われます。

上海の場合は沪、という漢字が使われますが、その中でも沪C・・・の上海ナンバーと沪C以外のナンバーでは大きく価値が異なり、沪Cナンバーは様々な制限が掛けられています。

まず、沪Cナンバーは基本的に中環状以内を通過することができない規定になっていて、中心部へ移動することが全く不可能なのです。

ちなみに上海ナンバー以外の自動車にかかる制限は平日朝の7時から10時まで、午後の3時から7時まで上海市内の主要道路である、内環状、中環状を通過することができません。

要するに、これだけ制限されていれば、通常のサラリーマンが出勤で上海ナンバー以外の自動車を使用することは、ほぼ不可能ということになります。

闵行や金山の郊外に行くと上海市内の青や赤、黄色のタクシーと違い、オレンジ色のタクシーが走っているのを見かけたことがあると思いますが、このオレンジ色のタクシーは沪Cナンバーであり、上海市内の中心部へ出入りすることができないのです。

初乗り料金が安いタクシーが市内で横行してしまうことを制限する意味もありますが、一方で10万元近い価値で入札される沪C以外のナンバーを取得できないようなマイカー保有者で、上海人であれば上海以外のナンバーと同じように簡単に取得することができる訳です。

沪C以外の上海ナンバーはご存じの方も多いと思いますが、一定期間に市場に出される枚数が決まっていて、それらを入札するシステムになっています。

どれだけお金を持っていても取得することが困難だ、と言われるほど、素人では簡単に落札ができないと言われており、専門の業者が存在するほど価値の高いものなのです。

また同じく大都市の北京市においては、アルファベットでの制限ではなく、ナンバープレート末尾一桁の数字が偶数と奇数で種別分けされ、それによって平日のラッシュ時に通航制限を掛けています。

いずれにしても北京、上海ともに全ての自動車が道路に出れば、溢れてしまうほどに自動車が存在していて、交通モラルの問題以前に大気汚染、交通渋滞緩和の課題に対しての政策になります。