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2020-07-14
フルタ製菓の中国での商標権主張認められる。其の陸。

さて、フルタ製菓にとっての最終局面で逆転勝訴を勝ち取るのですが、何と言っても素晴らしいのは、ここまで諦めない気持ち、これは企業としてのプライド、ブランドへの自信がなくてはできないことです。

無関係な私がグダグダと書き連ねましたが、自信をもって中国市場で、世界の市場で戦っていく日本企業の姿勢に感動した次第です。

フルタ製菓は中国での販売実績はなく、あくまで中国との接点は製造であり、それでもこの商標権侵害への訴えに費やせる想いというのは、中国市場で生きていく我々にとっては考えさせられるものです。

多くの企業が泣き寝入り、もしくは野放ししている現状を目の当たりにしていますが、こうした活動ができる活力こそが企業の長く続くことの最大の事由ではないでしょうか。

印象的だったのは、フルタ製菓側が一層厳しくその侵害について主張しているところで、ふるた、の語源が全く関係ない旺通食品へ劣悪と言う表現を使ったり、FURUTA以外にもAN GRY BIRDなど他社への侵害が確認されることにまで言及をしたり、被告に対して悪意ある行為という言葉も用いるなど語彙を更に強めます。

最終結審での決め手はフルタ製菓の商標を盗作したことの根拠ともなるべく事実関係による時系列の列挙で、1993年に広州で行われた日本製品のお菓子の展覧会、1998年に汕头で行われた展覧会、2000年の福州で行われた展覧会にて新聞報道等で既にFURUTAの商標は一定の認知度を示しているとしました。

それ以外にも新たに提出した資料を含め、第一審から実に48の証拠資料を事前提出し、更に開廷前にも3つの証拠を集め、提出しています。

細かいことは省きますが、言い方は悪いものの、やや子供じみた言い分、感情論的なものもいくつか含んでいて、全てが有力な証拠として認められた訳ではありませんでした。

しかしそれには絶対に勝訴する、FURUTAの商標への強すぎるほどの執念が伝わってきます。

私はこの判決の焦点であったFURUTAの商標への認知度が、中国の法廷にて認められたことは、感情論を抜きで、正直意外な判決に感じています。

強い気持ちだけで通用するほど、中国の法廷、中国の企業が甘くないことを知っているからです。

相手が相手だったこともあって被告側の主張が単調であったこともあるかもしれませんし、最初に述べたように、むしろフルタ製菓にとっては間違いなくここからが正念場です。

ただ、何度も繰り返すように、このフルタ製菓の商標権に対する強硬な姿勢は、多くの日系企業が見習うべき姿勢であり、称賛に値するものであることは紛れもない事実です。