NEWS/TOPICS

2021-06-07
ハラスメントと中国。

日本では変わらずいくつかの企業でパワハラ、セクハラがやり玉に挙がることがあります。

中国ではどうなのかというと、確かにハラスメントという言葉自体はありそうですが、実際にそれが訴訟問題になったり、ニュースで取り上げられることは稀であるように感じます。

しかし日本のように遠慮を美徳とするような文化はなく、イエスとノーをはっきりと明示する傾向はあり、給与の支払いに関して訴訟事になることはよく耳にするところです。

また996(朝9時から夜9時まで週6日勤務)に代表されるように、労働環境の善悪についてはニュースになったり、SNSで話題になることも多くなってきました。

これもバブル成長からやや落ち着きを取り戻し、労働者の権利を明示するようになったことの証左でもあります。

こうしたハラスメントの考え方について、中国の弁護士から取材(ヒアリング?)を受けることがありました。

企業向けの取り組みであったり、一般の社員の考え方についてでしたが、特にセクハラについては中国人にも理解しがたいと思われているように感じました。

どういうことかというと、そもそも中国では下ネタ、であったり、特に女性の前で性的な表現をすることがほとんどありません。

同僚同士で恋愛関係になったならないはあっても、上下関係の中でそうした話は聞いたことがあまりなく、倫理的にも概念としても、理解しにくく、中国では存在しないかのように言われました。

しかし一方で日本の企業では古い認識にとらわれたままのケースも少なくないと感じるシーンは未だにあり、セクハラと同等に語るべきではないかもしれませんが、それに伴ってか男女格差、雇用機会の差ががなかなか狭まりません。

中国ではこの点では確かに男性が育児をする、という傾向こそ一般的ではないものの、むしろ祖父母に子供の面倒を見てもらうことで、女性が職場で活躍する下地が日本よりもしっかりしている印象もあります。

少し話が飛んでしまいましたが、いずれにしてもハラスメントについては特に中国でも興味、意識が高まっているようです。

中国だから、ということではなく、企業としてのコンプライアンスを守るべきところはきちんと守ることが、今後さらに求められるでしょう。