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2021-07-29
テレアポという仕事を日中で考える。

テレアポという仕事、賛否両論はありますが日中では様々な違いがあるように感じます。

まず、日本でのテレアポについて、受ける側としては当然突然入電があるのですが、内容としては比較的丁寧なものが多いと思います。

自社の紹介をして、相手の名前を読み上げて本人を確認したり、「今お時間よろしいでしょうか」と尋ねるのは、マニュアルとして一連の流れだと思います。

中国のテレアポを多くの方が経験されていると思いますが、ほとんどの場合が「〇〇さんですか」と尋ねられます。

当然中国語ですので、中国語が理解できない人はその時点で電話を切ったりと対応するかもしれませんが、以前の私のように突然公安から電話がかかってきたりもするので、なかなか一方的に切るわけにもいきません。

私が中国のテレアポに対して、これは不必要だなと感じるタイミングですが、一方的にまくしたてるように相手が話続けられる時、です。

先日の一例ですが、〇〇貿易金融と名乗る人からのテレアポでした。

「もしもし、私〇〇貿易金融のLと申します。△△さんですか」

「はい、そうです」

「弊社は〇〇関係の貿易を従事している企業向けの金融サービスを提供していまして、低金利での融資を可能にした画期的なシステムを提供しています、例を挙げますと△△さんと同じ業種の貿易業を営む企業で、元々の金利が☓☓%だったものを弊社に借入を変えたことで☓☓%とまさに☓☓%も金利を安くまとめることができて、、、、、、、」

と、このように相手の都合などどうでも良いと言ったようにまくし立てるのですが、基本的に文字化をした際に【。】で終わらない、ずっと【、】で怒涛の喋りが続きます。

初めてこうしたテレアポが掛かってきた際には、半分以上中国語が分からない状態ではあったものの、それでも黙って話を聞いていたのですが、近くにいた同僚から、「どうしてサッサと電話を切らないんですか」と苦笑いされたことがありました。

それから面白いのはこうしたテレアポでは、相手の意見を聞くようなことがほとんどありません。

「ご興味はありますか」などと聞かれることはありますが、基本的にはその会話の渦に巻き込んで圧倒することがほとんどで、それでも中国の場合は100件に一回でも巻き込まれる対象がいるのでしょう。

かなり昔に人材派遣業界に所属していたとき、テレアポ事務所の所長クラスの方とお話をする機会がありましたが、日本の場合は丁寧な会話を続けて、相手の胸元に入り込むことが大事というようなことをおっしゃっていました。

日本のテレアポ職ではそうした人材が欲しいということでしょうが、中国で同じような価値観があるようには思えません。

言語の問題はさておき、日本で一流のテレアポ職人が、中国では通用せず、また逆も然りであるでしょう。

人海戦術、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる、こんな思想がありそうで、実際にこれは中国における企業経営でも、営業的な部門、先日話したような温浴施設の労働者においても同じことが言えそうな気がします。

丁寧に対応するのが絶対的に必要である日本、とにかく素早く数をこなす対応が必要な中国

これはテレアポにも温浴施設にも、事業経営にも繋がる一つの中国なりのコツのような気がします。