またまた前向きになれないこの話題。補足です。
中国のゼロコロナ政策、以前のコラムにも度々書いてきたことですが、地方都市ではロックダウンを行いつつも、上海市では小規模な隔離措置にとどまっているなど、ゼロコロナという割には疑念のある対策も多くみられました。
それから昨日の記事では楽観視ができないと書いてきましたが、とある知人から楽観視できる材料をまとめて送られてきました。
・中国メディア内で、無症状患者という表現が際立ってきた。
無症状患者などという言葉は、日本ではほとんど聞かれなくなっています。
というのは、無症状であろうが症状があろうが、感染させてしまうリスクはある訳で。
またワクチン接種が進んだことで、日本では無症状、軽傷が明らかに増えてきていること。
そんな中、中国メディアで感染状況を説明する記事内で突如として多く見受けられるようになった、この「無症状患者」という言いまわし。
これは、感染しただけで大変なことになる!という世論をなだめる意味合いがあり、今後この無症状患者がワクチンのお陰である、と報道に展開してワクチン接種の促進と、開放に歩みを進める布石ではないかという見方です。
しかし、これもまた論破ではありませんが、勘違いである可能性も否定できません。
中国ではこれまで感染者が相当抑え続けられたことで、感染したことを隠蔽する行為も増えているようです。
差別や批判の対象を避けたいという考え方でしょう。
無症状患者という言い回しは、感染しても差別されるべきではない、大した話ではないよ、と宣伝し、隠蔽をさせないようにするためでもある、とされても違和感はありません。
・あえて分かりやすい経済ダメージを与えつつ、解放の声を内側から上げさせる。
これはスクがあってとても中国政府が考えるとは思えませんが、先日のコラムにも上げたような企業人らが疑念の声を持ち、突如として開放に転じた際に、批判の声を和らげるためではないかとのこと。
まあ確かに突如としてゼロコロナをやめますよ!という方針は打ち出しにくいでしょう。
徐々にではなく、一気の方針転換を考えるのであれば、経済的な痛みを実感させた上でその是非を問うという考え方を否定はしませんが。
とはいえ、わざわざ自国に対して経済的な大ダメージを与えておくという方針を打ち出すとは個人的にはあまり思えないです。
それに中国政府がその方針の誤りを認めて方針を展開させることは考えづらいです。
・生活の不便さからも不満を誘うことで、ゼロコロナからの転換がしやすくなる。
これも上記と同じような理論ではありますが、当コラムでは経済的なダメージばかりを列挙してきましたが、実際の生活にも大きな影響が出ています。
デリバリーはおろか、スーパーにもいけない、この状況に便利さに慣れすぎた上海人が根を挙げるのは十分という声もありました。
上記の中で、確かに無症状患者という言い回しがかなり増えてきているのは理解できます。
私も毎日、中国のニュースを見ていますが、無症状患者を報じる意義がいまいち理解できませんでした。
ところが、これだけ無症状患者を報道することによっての因果か、以前よりも感覚的にですが、コロナ感染を恐れるような声が少なくなったようにも感じます。
以前は感染した、陽性になったなんて考えられない!という極端な意見がほとんどでしたが、それぞれの影響もあってか、風邪と同じようなものなんだよねえ?と聞かれることも、明らかに増えています。
ところで、私も以前から中国政府はゼロコロナ政策を転換したいが、大々的に打ち出し、強引に推し進め続けたゼロコロナ政策を、簡単に政策を切り替えられないのではないか?と考えたこともありました。
ですが、誘導の上手な中国政府からすれば、自身を正当化しながらも国民の批判の声を避けつつ方針転換など朝飯前なのでは?とも考えるようになりました。
実際にここまでのゼロコロナ政策、それを打ち出した政府に対して、批判的な声を聞くことはほとんどありませんでした。
中国では報道はほとんど政府の干渉を受けているといわれます。
近年ではSNSによってある程度、自由な情報も受け取れるようにこそなりましたし、既にゼロコロナ政策から展開することなど、十分に不自由さもリスクも感じ取った人々からすれば、難しいことではないと感じるところです。
ワクチン接種の有効性や、これまでのゼロコロナ政策があったからこそ、という流れを作りながら方針転換に踏み切ることが難しいとは、個人的には思えませんね。
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