突然ですが、日本と中国(世界)の温浴施設、温浴業界の最も大きな違いは何でしょうか。
私は、対人口に対する施設の多さ(需要の多さ)だと思います。
中国は温浴業界に関わらず、その巨大な市場はどのようなビジネスでも一番の魅力です。
しかし、日本の温浴ビジネスは道の駅だったり、サービスエリアだったり、少しでも人口が集まるような地域であればビジネスとして成立してしまいます。
もし例えば中国の道の駅やサービスエリアに温浴施設があっても、あまり人気は出ないでしょう。
裏を返せば、温浴施設は日本の一つの文化という枠を超えていて、日常の生活に入り込んだ【習慣】と言うことが出来るかもしれません。
人々が毎日お風呂に入り、近所のスーパー銭湯に頻繁に足を運ぶ、という習慣や需要が存在しているのは、日本の温浴業界の特殊性を表しているでしょう。
私がよく知る中国上海の温浴施設では、日本のように習慣的な需要を取り込む、というよりは、レジャー志向の顧客を取り込むことが重要となります。
カラオケに行ったり、ディズニーランドに行ったりという需要と似ていて、非日常空間(和風はそもそも非日常)や滞在型に主眼を置く必要があります(特に中国都市部)。
日本で通用する流行は世界には通用せず、世界の流行が日本では通用しないのは、そもそも需要が違うために生まれる必然でもあるかもしれません。
中国でも日本でも、それぞれ都市部とリゾート地、郊外ではその施設の内容は異なります。
もちろん、日本も近年ではサウナーやテレワークという新たな需要が出てきており、こうした日常習慣の変化で今までと異なる供給側の変化もあるでしょう。
さて、いつものように前置きが長くなってしまいましたが、本題に入ります。
上記のように需要の変化に伴い、日本の温浴施設も変遷してきました。
その中でも様々な付帯施設とコラボレーションしてきた歴史があります。
ショッピングモール、カラオケやパチンコ店、古くは大型の健康ランドも幹線道路とのコラボと言えるかもしれません。
しかし、どれも一長一短で「このコラボレーションは確実に人気店になる!」というほどの鉄板コンボは私が知る限りありません。
例えば、ショッピングモールは買い物前後の顧客取り込みを狙ったものですが、意外にも買い物帰りに温浴施設に寄ることはありませんでした。(一定数はあったとしても)
そんな中で、私がなるほど!と思った最近の出来事をご紹介します。

愛知県一宮市にある、クア・メゾン四季の湯さんにお邪魔した時のことです。
私がサラリーマン時代にお世話になっていたお客様で、もう開業後から30年近くは経過しているのではないかというスーパー銭湯の先駆け的存在です。
余談ですが、ふらっと立ち寄ったものの、良い意味で変わらない施設にホッとしたのですが、今でも入浴料は550円という驚きの激安価格で、土日祝日でも600円という地元密着型のスーパー銭湯です。
いい意味で変わらないとは言ったものの、この10年で炭酸泉を導入されたり、新たにシャンプーなどが備え付けられたり、モーニングセットを販売したり、と、絶えず顧客満足度を高める企業努力をされています。
それでいてこの価格帯は脅威でしかないのですが。(しかも入浴料であり、施設入館自体は無料)
それはさておき、この地域、スーパー銭湯激戦区でもあり、ここまで生き抜いてくるだけでも簡単なことではなかったはずです。
地域密着とはいえ、売上あっての地域密着ですから、そもそも温浴施設の業態で30年も生き残るというのは、並々ならぬ努力の賜物であり、至難の業であるはずです。
僭越ながら私が感じた彼らの成功の一端を感じた出来事がありました。

それは、敷地内にある、このコインランドリー店。
どういう意味かというと、施設を体験していた最中に感じたのが、サウナマットのふかふかさ、でした。
しかもまだ清潔な状態と思われるタイミングで、サウナマットの交換をしていたのです。
サウナには若いサウナーの姿や、常連のご年配者さんで賑わっていました。
私は熱烈なサウナーとは言い難いものの、温浴施設を体験すれば必ず、サウナと水風呂を体験します。
その中で気になるのはサウナマットの汚れや、湿った状態が続いていることです。
実際に、私も体験したことがありますが、スタッフさんによるサウナマットの交換は非常に労力を伴います。
当然それには人件費も必要となれば、洗濯をするリネン代も必要になります、
また、消耗したサウナマットを適度に廃棄したり、清潔感を維持するには、意外なほどコストが必要です。
そこで、自社リネンの実現とプラスαの収入源、さらには地域密着のコンセプトからズレがない、このコインランドリーではないでしょうか。
経営状態や、運営方式は全く分かりませんが、推察するにこのコラボレーションは四季の湯さんが、この熾烈な温浴施設の争いに打ち勝ってきたアイデアだと感じずにはいられませんでした。
私がこの四季の湯さんに営業でお世話になっていたのは、かれこれ10年ほど前のことです。
当時から清潔感をウリにされており、先代から息子さんに番頭さんが入れ替わったタイミングでした。
しかし、地域密着で顧客の視点を重視するその姿勢も変わらないままでした。
どういう思い付きがあったのか分かりませんが、このようなスーパー銭湯とコインランドリーのコラボは、確かに素晴らしいアイデアです。
新規店舗ができると、新しいアイデアがあったりしますが、それを見て、すごいなあ、羨ましいなあ、と思うのは誰でもできます。
二番煎じでは顧客の心を打つことはできない、と私は考えます。
温浴施設の運営、経営は決して一筋縄ではいきません。
それでも顧客目線を忘れずに、施設をより良くしていく、という前向きな姿勢の延長線上に経営のアイデアが生まれるのではないでしょうか。
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